800年の歴史を持つと言われ国の重要無形民俗文化財にも指定されている郷土芸能「八戸えんぶり」が2月20日、4日間の日程に幕を閉じた。
「VISITはちのへ」の発表によると期間中の入込数は25万人(前年30万6千人)と、前年を5万6千人割り込んだ。入込数を日別に見ると、八戸市中心街で一斉摺りが行われた2月17日は15万6千人(前年20万3千人)、18日は1万6千人(前年2万8千人)、19日は3万8千人(前年3万7千人)、20日は4万人(前年3万8千人)。前年を大きく割り込んだ要因をVISITはちのへでは、「全ての日程が平日開催だったことや、初日が悪天候だったことが影響した」と分析している。
八戸えんぶりは長者山新羅神社(八戸市長者1)に奉納する「豊年祭」。開催前日の16日、境内には多くのえんぶり組が集まり、雨の中おはやしを演奏したり語り合ったりする人々の姿が見られた。その年の八戸えんぶりで最初に奉納した組に与えられる「一番札」は妻神(さいのかみ)えんぶり組(是川)が獲得。同組では2月13日に長者山新羅神社に出向き、4夜を「山」で過ごした。
更上閣(本徒士町)で行われた有料公演「お庭えんぶり」は、今年からチケットの取り扱いを窓口販売からインターネット・コンビニでの販売に変更し、座席ごとにチケット料金を変えたり、日によって公演回数を変えたりするなど大幅な改善を図った。一部公演で空席が出たため当日券を販売したものの、チケットの販売はおおむね良好で、大きな混乱は見られなかったという。
最終日20日のお庭えんぶりには、中居林えんぶり組と内丸えんぶり組が出演。来場した人々は、烏帽子(えぼし)をかぶった太夫による迫力のすりや、子どもたちによる祝福芸に惜しみない拍手を送っていた。
トリを飾った内丸えんぶり組筆頭親方の天摩譲さんは「ここ数年は雨に打たれることも多く大変だが、えんぶりが終わると春が来るという思いで取り組んでいる。インターネット上でも、お客さんが待ち遠しく思っていることが伝わってきて、自分たちも頑張っていこうと思える。今後は見るだけでなく、参加型のえんぶりになっていけばよいと思う」と話す。同組は組員約70人を抱える大所帯のえんぶり組。来年は組の結成から90周年を迎える。