南部バスを運行する岩手県北自動車南部支社(八戸市是川)では新型コロナウイルスの新たな感染予防対策として2月から、貸し切りバスや高速バス車内の飛沫防止パーティション設置や、全ての車両の抗菌・抗ウイルスコーティングを行っている。
同社はこれまで高速バス利用客へのマスク配布や車内空気の浄化やクリーニング済ブランケットの貸し出しなどを多くの感染予防対策を行ってきた。
今回、貸し切りバス7台や高速バス6台の4列シート車両に新たに設置される約30センチメートル四方のパーティションはPET樹脂と呼ばれる柔らかい素材でできている。座席の顔の高さに取り付けられていて、視界をさえぎることなく隣同士や前後にも飛沫の拡散を防ぐことができる。
抗菌・抗ウイルスコーティングは、路線バス・高速バス・貸し切りバス全124台に実施。吹き付け施工される無光触媒「エコキメラ」は太陽光を照射することで効果を発揮する光触媒二酸化チタンを原料とし、リン酸と反応させたことで、光のない暗所でも消臭・抗菌・抗ウイルスなどの効果を発揮するリン酸チタニアを用いて製品化したものとなる。効果は3年から5年ほど持続する。
今回の感染防止対策には、青森県地域公共交通感染防止対策事業、青森県貸切観光バス安全安心対策事業、八戸市地域公共交通維持費支援事業補助金が活用されている。
2日には、報道陣に作業が公開され、同社社員がそれぞれの作業を丁寧に行っていた。パーティション設置は今月初旬、コーティングは今月中旬までに作業を終える予定としている。
同支社支社長の高橋学さんは「感染が再拡大し厳しい状況の中にあるが、パーティションの取り付けやコーティングを実施できたことにより。安心してバスをご利用頂ける環境が整ったと思う。今できる中で最大の努力を続けていき、お客さまに利用していただける環境をこれからも目指していきたい」と話す。