ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪(かぶ)島(八戸市鮫町)に4月上旬、今年もウミネコが飛来してきている。
蕪島は1922(大正11)年に「蕪島ウミネコ繁殖地」として国天然記念物に指定、2013(平成25)年5月には三陸復興国立公園にも指定されている。
ウミネコは毎年2月の節分の後に飛来し「春告げ鳥」と呼ばれていたが、今年は変則的でお正月に飛来してきた。今年は一面の雪の上に沢山のウミネコたちがいる、珍しい風景となった。ウミネコは海鳥なので海水の方が温かく感じるため、昼間は蕪島で過ごし気温が下がる夕方になると海の上で過ごすことが多いが、今年は日中から海の上で過ごしていることが多い。
5月になるとヒナが生まれ、8月中旬頃からウミネコたちは蕪島から飛び立ち北海道へと移動、その後関東方面へ移動する。可愛らしいヒナは毎年観光客にも人気となっている。ウミネコたちは新しい蕪嶋神社にもすっかり馴染み、例年はそろそろ巣作りを始める。
蕪嶋神社宮司の野澤俊雄さんは「ウミネコは、春が来たことを北国に教えてくれる鳥。蕪島神社の黄色い菜の花と、青い空と、ウミネコの白い姿のコントラストがとても素敵。コロナ禍で大変ではあるけれど、予防対策をした上で蕪島に来ていただいて良い気をもらって、潮風の香りを楽しみながら蕪島でウミネコをゆっくり見てほしい」と話す。「ウミネコに餌を与えてしまうと巣から離れてしまい、他のウミネコにつつかれてしまう為、繁殖期に蕪島に来た際は、ヒナには餌を与えないでほしい」とも。
蕪嶋神社に参拝に来ていた女性は「蕪島からウミネコの鳴き声がたくさん聞こえてくると、やっと春になった気がしてうれしくなる。ウミネコがいる蕪島はとっても賑やかですね」と話す。