クラフトビールの製造を進めているカネク醸造(八戸市南郷市野沢)が6月上旬の初出荷に向けて3種類のビールの仕込み作業を行っている。
同社のビール造りのきっかけは、社長の山形琢一(たくいち)さんがかつてドイツを旅行した際に飲んだクラフトビールの味に魅了されたことから。以前は、製造する人の支援を考えていたところ八戸には現れなかったことから、自らそうした魅力的なビールを地元で作ろうと思い立った。
醸造所はかつて南郷地区の給食センターだった場所を活用し、リフォームとタンクなどの設備を整備。ブランド名を「八戸麦酒」として、多種多様なホップを使った「インディア・ペールエール」、ドイツの白ビール「ヴァイツェン」、青森県産米のまっしぐらを使った「ゴールデンライトエール」の3種類を製造。今後、南郷で生産されたブルーベリーなどの果物を使ったビール造りも計画している。販売は瓶で、6月上旬の発売を予定し、年内にも缶での出荷も目指す。
山形さんは「皆さんに飲んでいただけるおいしいビールを造りたい。若い女性の方や、あまりお酒を飲まない方にも飲んでいただけて、楽しい語らいの時ができるビールを目指していきたい」と話す。
山形さんのビールの事業には地域連携や地域循環も含まれており、麦芽のかすを農家に引き取ってもらい農産物に役立ててもらったり、サッカーJ3のヴァンラーレ八戸や飲食店と連携したりするほか、さらに新しいビールを造ることや、将来的に障がい者にも働いてもらえる環境づくりの構想も考えているという。