八戸市出身で芥川賞作家の三浦哲郎を若い世代の人にも知ってもらうギャラリー展「中高生に伝えたい三浦哲郎」が5月22日から、八戸ブックセンター(八戸市六日町)で開かれている。
同展は同センターの開館5周年企画として開かれる。三浦哲郎は今年で生誕90周年、芥川賞受賞60周年の節目の年となる。「中学生、高校生をはじめとする若い世代にも興味を持ってもらいたい。長く読み継がれていくきっかけとなれば」という思いでギャラリー展を企画した。
展示では四方の壁面をぜいたくに使う空間を生かす。正面には作品に関連したインスタレーションを壁から突き出すように配置。右側の壁面には大きなイラストと本人による年譜、左側の壁面には実物のデザインそのままの木製の本を展示する。木製の本には各作品のあらすじが書かれた用紙がつづられており、自由に持ち帰ることができる。背面側には小説家・藤谷治さんによる書評と足元にエビフライが置かれている。
彫刻家・美術家の飯田竜太さんによる「三浦作品をモチーフにした彫刻作品」(木製の本)や、作品に登場する方言の響きを楽しむ映像、物語を彩るエビフライやクリームソーダなどにまつわるインスタレーション作品など五感で楽しめるように工夫する。地元の方言に詳しい柾谷伸夫さんによる三浦作品の朗読も場内に流れている。三浦哲郎の写真は使わず、イラストレーター・高橋将貴さんによるイラスト化でイメージを膨らませている。
同センターの熊澤直子さんは「展示の監修は彫刻家・美術家の飯田竜太さんで、初めて三浦作品に触れる方へ興味の入り口となるような演出がされている。これまでなかなか作品を読む機会がなかったという方も来場してほしい」と呼び掛ける。
29日には飯田さんによるオープニングトークイベントが予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け延期となっている。振替開催日は未定。
開場時間は10時~20時。入場無料。8月22日まで。