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八戸市博物館で特別展「乱世の終焉 根城南部氏と城」 根城跡の国史跡指定80年記念し

八戸市博物館「乱世の終焉 根城南部氏と城」

八戸市博物館「乱世の終焉 根城南部氏と城」

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 根城跡の国史跡指定80年を記念する特別展「乱世の終焉(しゅうえん) 根城南部氏と城」が現在、八戸市博物館(八戸市根城)で開催されている。

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 同展では、根城南部氏が動乱の戦国期を耐え抜き遠野に移封(領地替え)されるまでの歩みを主軸に、関係の深かった新田氏や三戸南部氏などの居城の出土遺物や研究成果を展示し、南部氏の力関係の変化が読み取れる展示になっている。

 豊臣政権による奥羽仕置後、三戸城では石垣を導入した一方で、根城は防御力のない屋敷へと変化している点などについて、学芸員の船場昌子さんは「歴史の変化がどのようにしてモノに現れてきたのかが分かる」と説明する。

 根城南部氏の有力家臣・新田氏の居城についても詳しく展示。新田氏にスポットを当てた展示は珍しいという。新田城と同時期にあったと考えられる新田古舘について、船場さんは「新田氏が2つの城を構えていたとすれば根城を越える城を作っていたことになり、その理由についてはまだわかっていない」と言う。同展では、新井田八幡宮、小田八幡宮、清水寺観音堂の棟札など新田氏ゆかりの資料も展示している。

 併せて、根城跡で昨年出土したばかりの真鍮製の指輪も展示し、調査段階にある資料を見ることができるほか、南部家中興の祖といわれる三戸南部26代南部信直が根城南部氏に嫁いだ娘の千代子への書状についても触れ、食べ物や衣服、孫、最近買った物などについての話が添えられた内容の手紙を頻繁に送る筆まめぶりもうかがえる展示になっている。

 船場さんは「古文書や文献資料による最新の研究成果だけでなく、城の発掘調査成果などから分かる歴史や城の中での生活も分かる展示になっている。ぜひ来場してほしい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~17時。入館料は、一般=300円、大学生・高校生=150円、中学生・小学生=50円(八戸市内の小中学生は無料)。期間中の休館日は、7月19日、26日と8月10日、16日、23日。8月29日まで。

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