八戸学院大学アイスホッケー部の監督に武田裕大さんが就任した。武田さんは今春、日本大学を卒業したばかり。

　八戸市出身の武田さんは八戸工業大学第一高校でキャプテンを務め日本大学に進学しプレー。青森県の国体成年チームでも活躍した。

　武田さんは、地元のアジアリーグのチーム・東北フリーブレイズへの入団も目指しながら、セカンドキャリアとして将来は地元で指導に携わりたいという思いから教員免許も取得していた。「残念ながらフリーブレイズでプレーすることはできませんでしたが、地元の指導者の方から大学の監督がいないというお話を頂いて、これは地元に恩返しできるまたとない機会だと思って受けさせてもらいました」と、22歳の若さでの指導者転向への決意を話す。

　指導者として歩み出し、その難しさや奥深さを体感する日々という武田さん。「これまでプレーヤーとしてやってきたので監督目線はわかりませんでしたが、戦術などでたくさんの情報を得ないといけないことと、選手それぞれのその日の体調やメンタル面のことを気に懸けつつ、ホッケーの指導をしていく…まるでお母さんのようなこともするのが監督なんだなと身に染みてわかりました」と多方面へ目を配る。

　目標とする指導者は母校・工大一高校の石藤壽也監督。「石藤先生は、朝の挨拶の様子だけでその選手の体調が分かるそうです。行動や目の動きひとつで感じ取れる、そういった観察力を学びたいですね」と武田さん。

　今シーズンのキャプテンを務める佐賀史春選手（4年）は「年も近いので話しやすく、気さくでなんでも話せる監督なのでチームの雰囲気もとてもよい」と新監督の印象を話す。

　最大22人までベンチ入りできるアイスホッケーにおいて、八戸学院大学の部員は現在1年生がおらず、2年生から4年生までの8人のみ。「学生たちには人数の少ない中、ハードな練習によく付いてきてくれています。人数は少なくとも勝ちにこだわりたいので、もう一段階上がってほしい気持ちもあります。今シーズンは東北ナンバーワンの座を取り戻して、将来はインカレでも上位を狙えるチームを作りたいです。自分が成し遂げられなかった全国ナンバーワンや、プロに送り出す夢を学生に託したい」と船出を迎えた22歳の新監督は大きな目標に向かって歩み出している。