サッカーJ3のヴァンラーレ八戸は、オリンピック開催中の中断期間を経て今季の後半戦が28日に始まる。
J2昇格に向けての後半戦で活躍が期待されるのは、かつてヴァンラーレに在籍し中断期間に復帰したMF佐藤和樹選手とMF小牧成亘選手の2人。今季のヴァンラーレはここまで6勝5分3敗の勝ち点23で全15チーム中5位。J2昇格圏内の2位との勝ち点差はわずかに2という位置につけている。天皇杯でも2回戦でJ1・横浜FC相手に勝利し「ジャイアントキリング」を達成している。
今季のJリーグは、東京オリンピック開催中が中断期間となり、その間、各チームの選手の移籍が相次いだ。ヴァンラーレは札幌大学4年のMF野瀬龍世選手の2022シーズンの加入内定、今シーズンは大学に所属しながらJリーグの試合に出場できる「特別指定選手」として登録。一方、今シーズンここまで全試合に先発出場していたMF黒石貴哉選手がJ2水戸ホーリーホックに移籍した。そしてサポーターを驚かせたのは、かつてヴァンラーレに所属していた佐藤選手と小牧選手の復帰。佐藤和樹選手は2019年にヴァンラーレに加入し左サイドからの的確なパスと強烈なミドルシュートを武器に2シーズンプレーし、今季はJ3の福島ユナイテッドFCに所属。小牧選手は同じく2019年にヴァンラーレに加入。3バックのポジションながら右サイドからのドリブルでの押し上げやシュートなど積極的な攻撃参加を見せた。2020年からはJ3ガイナーレ鳥取に所属していた。
チームに合流した印象を佐藤選手は「監督の目指すサッカーも分かっているし、チームメイトも自分の特徴を分かってくれているのですんなり加わることができた」。小牧選手は「選手はかなり替わりましたが新鮮な気持ちもある。鳥取時代は若手とコミュニケーションを取ることを心掛けていたので、まずは溶け込むことが一番大事だと思う」と話す。
シーズン半ばという難しいタイミングでの古巣への復帰について佐藤選手は「八戸を離れて、ヴァンラーレの良さをあらためて知ったと同時にここでもう一度プレーしたいと素直に思った」。小牧選手は「夏の時期の移籍は初めてなので悩んだこともあったが、チャンスを頂けることは当たり前のことではないと感じたし、またこのチームでやれるうれしさや喜びが大きかった」と心境を語った。
J2昇格がかかってくる今後の試合に向けて佐藤選手は「自分のできるプレーを存分に出して、少しでも皆さんに『帰ってきてくれててよかった』と思ってもらえるプレーをしたい」、小牧選手は「結果という部分で皆さんに恩返しをしたいので期待して応援して頂きたい」と決意を語った。
ヴァンラーレの中断明け最初の試合は今月28日・いわぎんスタジアム(盛岡市)でのいわてグルージャ盛岡戦。次のホーム・プライフーズスタジアム(八戸市市川町)での試合は9月4日のテゲバジャーロ宮崎戦。悲願のJ2昇格への道を、佐藤選手・小牧選手が左右両サイドから切り拓く。