ジャズの館南郷(八戸市南郷中野)の開館20年に合わせて11月21日、ジャズピアニスト・中村天平さんのライブが開かれる。
ライブの開催は、八戸市内でアート活動を展開するimajimu(いまじむ)が音楽プロデューサー・鳴海廣さんの協力で企画。ジャズの館南郷がより多くの人に認知されることを願って企画したという。
中村さんは、神戸市出身のピアニスト。ライブでは中村さんがソロ演奏を披露する。中村さんは中学校時代に阪神淡路大震災を経験。高校を中退し解体業を経験した後、再び音楽の道を目指した。2006(平成18)年にニューヨークに留学し、2008(平成20)年にCDデビュー。2010(平成22)年にはカーネギーホールでの演奏を果たし、2012(平成24)年から2017(平成29)年には被災地にピアノを届けるプロジェクトを展開、2020年からは大阪芸術大学の客員教授を務める。
ジャズの館南郷は、1990(平成2)年から南郷地区で続く南郷サマージャズフェスティバルの開催を受け、年間を通してジャズや音楽に触れられる施設として当時の南郷村が開設。ライブハウスと飲食店の機能を備え、ジャズのレコードやCDを約6000枚所蔵するが、近年はライブの開催が減っていた。
企画に協力する鳴海さんは、青森市でジャズ喫茶Jazz time diskを運営。八戸市と南郷村が合併する前は南郷サマージャズフェスティバルやジャズの館南郷の出演者の招致にも携わっていた。
90年代に音楽フェスと地域産業を結び付けた鳴海さんや旧南郷村の取り組みを振り返り、imajimu代表の今川和佳子さんは「当時としては先見性のある取り組みだったと思う。南郷地区は、南郷サマージャズフェスティバルの継続によってブルーベリー、そば、はちみつなどの地域産業の活性化に成功した」と話す。ライブについては、「中村さんはピアニストとは思えないような屈強な人。激しい演奏を楽しんでほしい」と呼び掛ける。
15時開演。チケットの価格は、前売券=3,500円、当日券=4,000円。チケットはジャズの館南郷、はっち(三日町)1階インフォメーションなどで販売する。