八戸市が整備を進めていた新美術館(八戸市番町)が11月3日、待望のオープンを迎えた。
旧美術館は、八戸税務署の建物を活用して1986(昭和61)年に開館して以来、多くの展示や市民とアーティストが交流するワークショップなどを行ってきたが、建物の老朽化や美術品の収蔵スペースの狭さなどから2016(平成28)年に再整備が決定。2017(平成29)年4月をもって閉館した。
このほど新たに建設された新美術館は地上3階建て。高さ17メートルのジャイアントルームをはじめとする大小さまざまな展示スペースやアトリエなどを設けた。
2日には、関係者や来賓を招いての開館記念セレモニーを行い、テープカットで開館を祝った。グランドオープンの3日には雨にもかかわらず多くの市民らが足を運んだ。グランドオープンでは、おがみ神社法霊神楽保存会による一斉歯打ちに続き、小林眞市長と佐藤慎也館長がカーテンを開き展示の公開をスタートした。
グランドオープンに寄せてのあいさつで、小林市長は、市が取り組んできたアートプロジェクトに言及。はっちを皮切りとする南郷アートや工場大学、まちぐみなどを挙げながら「さらに文化を発展させいくためには市民が主役・主体となってアートの力でまちを盛り上げていくことが不可欠。『100年後の八戸を創造する美術館』のコンセプトの通り、100年後の八戸が豊かに発展していることを願いながら、この美術館のオープンがそのきっかけだったねと言われることを楽しみにしている」と期待を寄せた。
同じく佐藤館長は「美術館はあらゆる人が作品を見てそれについて語り合う場所で、それを実現できた初めての街が八戸。八戸のことを考えて、もっとおもしろくする取り組みをジャイアントルームを中心に行っていきたいと思う」と話した。
開館記念の企画は「ギフト、ギフト、」。八戸三社大祭を出発点に10組のアーティストと1組のコレクションが作品を展示。写真や切り絵、映像や陶芸、造形など幅広いジャンルの多彩な作品が並び、足を止めた来場者が魅了される様子が見られた。
「ギフト、ギフト、」の開催期間は2022年2月20日まで。会期中にはアーティストトークなどさまざまな企画を予定する。
開館時間は10時~19時。火曜休館。祝日の場合は翌日が休館。12月31日と1月1日も休館する。観覧料は、一般1,300円、高校・大学生700円、八戸市内と近隣町村の小中学生は無料。