来年のえとトラにちなんだ資料を展示する企画展「えと展 とら」が現在、八戸市博物館(八戸市根城)で開かれている。
同館では2015(平成27)年から、年末年始に合わせてえとをテーマにした企画展を実施。今回は、八戸南部家旧蔵のコレクションや南郷歴史民俗資料館、八戸市立図書館の収蔵資料など、トラに関する資料約80点を展示する。
展示では、指南書や参考書を意味する「虎の巻」の語源となった中国の兵法書や、源頼政が射抜いたと伝えられる鵺(ぬえ)と呼ばれるトラやタヌキの体をした化け物が描かれた江戸時代の出版物、明治時代の内務省が発行したコレラを予防するための資料「虎列刺予防論解(これらよぼうろんかい)」などが並ぶ。
トラを描いた紙芝居や全国の郷土玩具や1968(昭和43)年の八戸三社大祭で虎舞が舞う様子など親しみやすい展示も。今回初めて公開した八戸南部家旧蔵の「古渡 虎目」は、虎の目の標本とされるが、実物は毛皮のようなふさふさとした表面をしており、その正体は不明だという。
同館学芸員の山野友海さんは「企画展がさまざまな角度からトラを捉え直す機会になればうれしい」と来館を呼び掛ける。
開館時間は9時~17時。会期中の休館日は12月13日、20日。12月23日~1月4日は全館のくん蒸作業と年末年始のため臨時休館。入館料は、一般=250円、大学・高校生=150円、中学・小学生=50円、八戸市内の小・中学生は無料。1月10日まで。