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八戸・八戸藩江戸墓所の修繕活動1年 16代当主がボランティア募り、自らセメント塗りも

墓所の整備を進める八戸藩南部家16代当主・南部光隆さん

墓所の整備を進める八戸藩南部家16代当主・南部光隆さん

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 青森県八戸市から岩手県久慈市の一帯を江戸時代から明治初期まで治めていた八戸藩南部家の当主が現在、かつての藩主などが眠る八戸藩江戸墓所の修繕活動を行っている。

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 墓所があるのは、東京タワーに程近い金地院(東京都港区)。現在は東京タワーの正面玄関から徒歩1分ほどの場所にあり、八戸藩南部家のほか、盛岡藩南部家、七戸藩南部家などの墓所もある。八戸藩の墓所には、江戸で亡くなった藩主が棺のまま土葬されているほか、夫人らの墓も合わせて35基が並ぶ。道路向かいの東京タワーの敷地まで広がっていたという墓所は時代の変遷とともに再開発が進められ、現在の墓所を残すのみ。墓所は史跡登録されておらず、長年にわたって整備が行き届いていなかった。修繕前は壁の欠損や墓石の落下など、荒廃が進んでいたという。

 八戸藩南部家16代当主の南部光隆さんがボランティアを募り、修繕を始めたのは1年ほど前。自らセメントを塗り、崩落したブロックや墓石を積み直すなどして整備を進めている。南部さんは「全国の大名家の江戸墓所の中でも八戸藩の墓所は大きい。八戸の誇りとして残していきたい。現状では自分たちの力で持ちこたえたい」と意気込む。関東在住の八戸出身者や歴史ファンが参拝できるような環境を整えていきたいという。

 近くの東京タワーは八戸周辺の学校が行う修学旅行では定番の訪問地だが、南部さんの記憶の限り訪れた学校はないという。南部さんは「八戸藩領の人々の年貢で建立した墓所。ぜひ訪問してもらえるとありがたい」と話す。

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