法霊山おがみ神社(八戸市内丸)が1月1日、八戸三社大祭に附祭として参加する11組の山車組を支援するお守りの授与を開始した。
八戸三社大祭は昨年、祭りの発祥となる同神社のみこし渡御の開始から300年を、新羅神社や神明宮が加わった明治時代の祭り成立から135年を、それぞれ迎えている。町内の住民による山車の制作は130年ほど前の明治時代に始まったとされ、山車はみこし渡御のお供として運行される。
山車組の運営資金は、補助金、祭り期間中の門付けなどで集まった寄付金、企業からの協賛金などで賄っているが、各山車組はコロナ禍の影響で2年連続で山車制作を見送っており、山車小屋の維持や祭りの担い手の継承が課題となっている。少子高齢化にコロナ禍が重なる中、同神社と山車組関係者は、山車組が町内とのよい関係を保ちながら継続的に運営できる仕組みを模索していた。今回授与を開始したお守りは、その第1弾となる。
支援付きお守りは、11の山車組が合同で捻出した初穂料で制作。何度でも貼り付けることができる粘着タイプで、携帯電話などに貼り付けて持ち運ぶことができる。12月29日に山車組関係者同席の下で御魂入れの神事を執り行い、1月1日から授与を開始した。
法霊山おがみ神社権禰宜(ねぎ)の坂本博史さんは「三社大祭の伝統を守る手段は、参加することや見ることなどさまざま。今回のお守りによって山車組に寄付金することもその一つ。伝統を守る新しい手段になると思う。興味のある人は神社に足を運んでもらいたい」と話す。
お守りは1000個限定で授与の初穂料は800円。1月6日現在で400個ほどが参拝客の手に渡り好調な出だしとなっている。初穂料の一部が山車組への支援金として活用される。