労働環境の改善事例を紹介する「トヨタと学ぶカイゼン活動理解セミナー」が1月21日、八戸市庁別館(八戸市内丸1)で開かれた。
セミナーは八戸市商工課が主催。八戸市では、2017(平成29)年から少子高齢化の進展による労働人口減少を背景に、働きやすい職場づくりと生産性の向上を支援しようと、トヨタ自動車東日本によるカイゼン活動を実施。同社は、東日本大震災以降の産業や経済の復興への寄与を目的に異業種相互研鑽活動を展開し、127社の業務改善などをサポートしてきた。八戸では、これまでに8社が参加している。
セミナーでは、整理、整頓、清掃、清潔、しつけからなる「5S」や、現場の声をもとに改善を図る「困りごと改善」、危険、予知、訓練を把握する「KYT」などを通して、大幅な負担軽減や時間短縮に成功した事例を披露。このうち、食品加工業社の活動では、ギフト商品の箱詰め作業のために9回の移動が必要だった工程を整理整頓によって移動不要にしたり、食品加工の導線を見直して業務の負担を削減したりするなど、大幅な改善につながった事例を紹介。関係者からは「負担が減り、協力することが楽しくなった」「自分が思っている以上に固定概念を持っていた」「コミュニケーションを図っているつもりでも、実際はできていなかった」などの声があったという。
事例発表では、共同物流サービス(八戸市卸センター1)が管理者の視点では気づかない現場の声をもとに改善を図った取り組みを紹介し、「トヨタの改善方式についていけるか不安だったが、現場をよく知っているのは現場であると気付かされた」と導入の効果を話した。
八戸市商工課の髙橋はるかさんは「近年、さまざまな業種で人材確保が難しくなっている。セミナーでは改善のポイントを理解してもらい、できることから実践してもらえたらうれしい」と話す。