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八戸市中心街の喫茶店「みな実コーヒー店」が6月移転 三日町から番町へ

「みな実コーヒー店」が移転

「みな実コーヒー店」が移転

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 八戸市中心街の喫茶店「みな実コーヒー店」(八戸市三日町)が4月14日で現店舗を閉店し、6月中旬に移転オープンすることになった。

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 みな実コーヒー店は、1973(昭和48)年7月に八戸市番町で創業。今年7月で49周年を迎える。現在の本店である三日町中央店は13年ほど前から営業している。4月14日で閉店し、6月中旬、50年目を前に創業の地である八戸市番町に移転することになった。

 店主の須藤清文さんは青森県鶴田町出身。学生時代は五所川原市の喫茶店に通っていたが、「コーヒーは嫌いだった」という。21歳のころ、農業を営む実家を出て親戚のいる八戸市に移り住んだ。八戸市では、ラーメン店やそば店を創業しようと考え、創業資金調達のために5000トン級の大型船で漁業に従事。6カ月後に横須賀市に移住し造船の仕事を経て、横浜市では水道工事業も経験した。横浜市内の喫茶店の工事を担当していた頃に保土ヶ谷区内の大手コーヒー店の営業所を目にし「なんとなくコーヒーが気になった」というが、コーヒー嫌いに変わりはなかったという。

 地元青森に戻るなら八戸市と決めていた。1973(昭和48)年4月、24歳で八戸市に戻ったとき、階上町内の喫茶店に立ち寄った。店主の妻が弘前出身だったことから、津軽弁に懐かしさを感じてよく通うようになったタイミングで、八戸市番町の旧八戸市美術館前に物件が見つかり、階上町の喫茶店の影響もあって、その年の7月には喫茶店を開業した。店名は当時の電話番号の「373」から「みな実」。何度か移転を繰り返したが、八戸市中心街から出ることはなかった。

 オリジナル焙煎(ばいせん)の豆は何度も試作を重ね、熱風焙煎で仕上げる浅いりで誰でも飲みやすい味にたどり着いたという。色が透き通り、程よい酸味と苦みのある味を作り出す方法は企業秘密。須藤さんは「成功するまでに1トン以上は豆を無駄にした」と振り返る。

 現在は東北フリーブレイズのロゴやご当地キャラクター、郷土玩具「八幡馬」をかたどったパンケーキや人形焼きなどを販売するなど、地域に密着した運営を続けている。須藤さんは「八戸の人や港に魅力を感じる」という。八戸の人の謙虚さや辛抱強さに、あまり多くを語らなかった母親が重なる部分があるという。

 須藤さんは「高校時代に来てくれた人が子供を連れて今でも来てくれる。そういう人たちの行き場を残しておきたい。これからも元気でいたい。」と話す。創業時も店の前には旧八戸市美術館があった。須藤さんは、昨年11月に再開館した八戸市美術館の前で再スタートを切ることになる。

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