八戸藩主の末裔と市民が江戸時代の藩主の参勤交代を「参勤交代道中双六」で体験するイベントが4月17日、八戸市文化教養センター「南部会館」(八戸市内丸)で開かれた。主催は北さんりく創研(久慈市)。
参勤交代道中双六は、八戸藩の最後の藩主9代目南部信順の江戸時代末期に、次代を担う男子が国元から江戸へ向かう16泊17日の道中を学ぶためのすごろく。間もなく明治維新を迎えたため実際に使われることはなかったが、廃藩置県後は八戸藩南部家の正月行事の一つとして受け継いできたという。原本は八戸市立図書館に収蔵している。16代当主の南部光隆さんは東京都内で体験イベントを開いてきた。16日には久慈市でも体験イベントが開かれ、国元である八戸市や久慈市で初開催となった。
イベントには32人の市民が参加。司会は南部さんが務めた。4人ずつのチームに分かれて大きなサイコロを振り、ゴールの「東都(江戸)」を目指した。宿場町の地名が記されたおよそ100マスに各チームがコマを進めるごとに南部さんが宿場に関する豆知識を解説。参加者した市民らはサイコロのマス目に一喜一憂したり、南部さんの解説に聞き入ったりしていた。
南部さんは「これを機に幅広い世代に藩政時代の八戸の歴史に興味を持ってもらいたい。いろいろな行事に市民と一緒に参加していきたい」と話す。北さんりく創研では、参勤交代道中双六を楽しむイベントを今後定番の催しとして開催していく予定。