国の重要無形民俗文化財に指定されている民俗芸能「八戸のえんぶり」の伝承を担う「えんぶり伝承師」が新たに5人認定され6月17日、ユートリー(八戸市一番町)で認定式が行われた。
えんぶり伝承師は、VISITはちのへが2006(平成18)年から実施している認定制度。八戸地方一円で活動する各えんぶり組の中から今後の活動が期待できるベテランを認定し、継続的な伝承活動につなげることを目的とする。
認定式は例年2月の八戸えんぶり期間中に行ってきたが、今年の八戸えんぶりが中止になったことから、同日に行われた八戸地方えんぶり保存振興会総会後に実施した。式では、VISITはちのへの塚原隆市理事長から認定証が手渡されたほか、記念品としてはやしや舞を指揮するために使う名前入りのザイ、ネームプレートなどが贈られた。
新たに認定されたのは、大塚健治さん(重地)、田畑三千則さん(東十日市)、小向修さん(百石)、大堀鉄雄さん(八太郎)、内城慶富さん(田代)の5人。いずれも70代のベテランで、舞の指導や歴史の伝承、地域の学校での指導活動、はばきなどの道具制作など、さまざまな形で伝承活動を行っていることが評価された。
伝承師に認定されたことについて田代えんぶり組の内城さんは「えんぶりははやしがそろった時のざわざわする気持ちがたまらない。まだまだ未熟だが、後継者を作るために頑張っていきたい」、重地えんぶり組の大塚さんは、「体が続く限りは、練習やお祭りに参加していきたい」と力を込めた。
塚原理事長は「子どもたちに対してえんぶりを伝承していくためには、認定された方々が指導することに意味がある。八戸の冬のお祭りであるえんぶりを続けていくためにも、伝承師の皆さんに頑張っていただきたい」と期待を寄せる。