24時間営業の古着無人販売店「ムジンノフクヤ 八戸白銀店」(八戸市白銀町)が9月28日、オープンした。
同店のコンセプトは「日本一ゆっくり買い物ができる店」。無人で24時間365日営業の形態で2020年8月、東京都中野区に初めてオープンした。今回が東北初出店。
八戸白銀店代表の下舘吉典さんは岩手県洋野町出身。下舘さんは「学生時代、八戸市内に遊びに行く時はワクワクしたが、今の八戸は、若者が服を買ったり遊んだりに行く店が少ない。もっと若者が集い遊べる場所を提供したいし、それが八戸の活力となるはず。学校を卒業して県外に出て行ってしまう若者が多いため、地元の八戸で将来を担っていってほしい」という思いから、フランチャイズでの出店を決意。ムジンノフクヤの社長に直接掛け合い、オープンにこぎ着けた。
店内には、1970~90年代の海外輸入ブランド古着を中心に、女性向けの国内ブランド品、バックや靴などおよそ1000点を取りそろえる。
商品の価格によってハンガーの色が異なり、利用客は商品の合計金額を券売機で精算し、ハンガーを返却して持ち帰る。中心価格帯は490円~3,980円。現在は多い日で30着ほど売れるという。客層は、日中は家族連れや高齢者が中心で、夜間から明け方にかけては学生や仕事帰りの人が多い。「深夜帯の来客も意外に多い」と下舘さん。入店すると自動で防犯カメラが作動。店内は広いガラス張りで外からも見やすく、明るく清潔に保つことで防犯効果を高めている。
ムジンノフクヤでは全店で、顧客との「交換ノート」でコミュニケーションを取っている。「SNS世代の若者にアナログの交換ノートは人気」(下舘さん)といい、「こんな服が欲しい」「楽しい」といった要望や意見が書かれている。下舘さんはその一つ一つに丁寧に返答し、店内の商品やサービスに反映させている。
「いつでもゆっくりと買い物してもらい、宝探しゲームをしているかのように、楽しみながら商品に出会ってもらいたい」と下舘さん。「将来的には子ども服を回収し、希望者へ無料で提供してくことを構想している。幅広い世代のニーズに答えられる新しい形の店舗を目指したい」とも。