ヨーロッパに伝わる「妖精」の物語を元にしたイラストを手がけるロナ・ラージスさんが12月、自身のイラストを掲載した2023年のカレンダー「ケルトの神々と妖精たち」を発売した。
ロナ・ラージスさんは現在、八戸市内でイラストレーターとして活動。幼い頃からおとぎ話や妖精に興味があり、2017(平成29)年、高校2年の夏休みに本場アイルランドを訪れた。2018(平成30)年3月の卒業後は北欧の各国を10カ月間にわたって巡り、現地の伝承や物語に触れた。2020年にも北欧への遠征を計画していたがコロナ禍で断念。同年6月、アトリエ兼ショップ「妖精屋」(八戸市長苗代)をオープンし、ヨーロッパに伝わる妖精の物語に自身の解釈を加えてイラストを描く活動を続けている。同年7月からは八戸市のコミュニティー放送局「BeFM」で自身のラジオ番組「ベッドタイムストーリー~ロナとおとぎの森~」を制作し、自らの語りで妖精に関する物語を発信している。妖精の魅力について、「純粋さもあり、残酷さもあるのが面白い。北欧を中心に昔から語り継がれてきたことにも面白さを感じる」と話す。
カレンダーの発売は8回目。2023年版は、アイルランドやイギリスなどの「ケルト圏」に伝わる神話から神の一族「トゥアハ・デ・ダナーン」の登場人物のイラストを掲載。ロナさんは「トゥアハ・デ・ダナーンはアイルランドを統治したが、戦いに敗れるなどして人々の信仰心を失い、後に私たちの知っている『妖精』の姿になった」という。カレンダーにはケルトの神だった一族の姿を描いたイラスト7枚に解説を添え、物語や人物像を知ることができるようにした。
「妖精屋」は、コロナ禍の行動制限の緩和などを受けて12月末で閉店。これに合わせ「クリスマス・マーケット」と題したイベントを実施し、カレンダーの他、小人のイラストが入ったマグカップ、クリスマス関連のイラストのポストカードなどを販売している。閉店後はイラストやラジオ番組を通して、妖精に関する活動を続けていく。今後に向けては、「もっと妖精について知り、再びアイルランドを訪れるなどして創作の幅を広げていきたい」と意気込む。
カレンダーの価格は1,400円。通販サイト「Booth」でも取り扱う。クリスマス・マーケットの開催時間は14時~18時。今月25日まで。