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冬の祭り「八戸えんぶり」、3年ぶり開催へ 新たに空間演出企画も

八戸えんぶり(過去の様子)

八戸えんぶり(過去の様子)

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 青森県を代表する冬の祭り「八戸えんぶり」が2月17日から20日まで、開催される。八戸地方えんぶり保存振興会が1月12日に開いた合同会議で、感染対策を講じた上で例年と同等の規模で開催すると公表した。

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 八戸えんぶりは県南各地から約30組の「えんぶり組」が参加する、青森県で最大規模のえんぶり行事。2019(平成31)年は約30万人、2020年は約25万人の入り込みがあった。コロナ禍の影響を受け2021年、2022年は中止。伝承を目的に2022年5月に代替イベントを開いた。本来の祭り期間に開催するのは3年ぶりとなる。

 更上閣(八戸市本徒士町)で行う有料公演「お庭えんぶり」では、青森県とオマツリジャパンの連携で新たに「空間演出企画」を実施。期間中の2月18日、えんぶりが再興した明治期に焦点を当てた演劇の要素を加えて上演。「歴史が感じられる空間づくり」を行うという。県と同社が連携した企画は昨年の「青森ねぶた祭」に続き2例目。

 祭り初日に行う長者山新羅神社(長者)の「奉納」や八戸市中心街の「一斉摺(ず)り」では並び順を決める「順番取り」を行わない。一斉摺りは2020年と同じ並び順で実施する。例年は「一番札」を得るために2~3日前から待機するえんぶり組もあるが、同神社では祭り初日の5時~7時に集合するよう呼びかける。

 この他、八戸市庁前市民広場での「かがり火えんぶり」「一般公演」、八戸市公会堂の有料公演、史跡根城の広場の「史跡根城えんぶり」なども、ほぼ例年通りの規模で実施する。

 青森県南部地方・岩手県北地方で伝承されている「えんぶり」は、田植えの所作を模して舞う豊年祈願の伝統芸能。1979(昭和54)年には「八戸のえんぶり」として国の重要無形民俗文化財に指定。1881(明治14)年以降は、毎年2月17日に伊勢神宮で五穀豊穣を祈る「祈年祭」に合わせ長者山新羅神社(八戸市長者)の神事「豊年祭」となり、現在の「八戸えんぶり」へとつながっている。烏帽子(えぼし)をかぶった「太夫」の舞い、色とりどりの衣装をまとった子どもたちの祝福芸、南部弁で歌うアップテンポのはやしが名物となっており、多くの市民や観光客でにぎわう。

 同会の塚原隆市会長は「これからはコロナと一緒に歩む必要がある。今年は観光客にも本来のえんぶりを楽しんでほしい。思い切って演じる子どもたちの姿を十分に見てほしい」と呼びかける。「今年は開催を前提に進めてきた。夏の祭り(八戸三社大祭)に向けて、市民と一緒に成功に結び付けたい」とも。

 お庭えんぶりで司会を担当する柾谷伸夫さんは「やはりえんぶりと三社大祭がないと八戸ではない。寒さよりもワクワクが大きい。子どもたちも稽古をしっかりやって、素晴らしいえんぶりにしてほしい」と、3年ぶりの祭りに期待を寄せる。

 お庭えんぶりのチケットは2月1日10時発売。ローソンチケットで取り扱う。価格は=3,000円~3,500円。公演は17時~、19時~。「空間演出企画」を行う2月18日のチケットは5,000円~6,000円。公演は17時~、19時30分~。

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