青森県南部地方の16市町村をホームタウンにサッカーJ3で戦う「ヴァンラーレ八戸FC」が3月26日、2023年シーズンのホーム開幕戦を迎える。
今シーズンは3月4日のFC琉球戦で0対1、12日の奈良クラブ戦で1対1。18日に行われた第3節アスルクラロ沼津戦は1対0と、初勝利を飾った。選手らは26日にプライフーズスタジアム(八戸市市川町)で行われるホーム開幕戦に向けて、市民の来場を呼びかける。対戦相手はFC岐阜。
ヴァンラーレは2006(平成18)年、八戸市南郷で設立。「いぐべ!Jさ!!」などのキャッチフレーズを掲げ、地域と共にJリーグ参入を目指そうと機運を高めてきた。チーム設立から13年目となる2019(平成31)年のJ3参入は、チームとサポーターの悲願がかなった瞬間だった。J3で戦うのは今期で5年目となる。
2008(平成20)年から15年在籍する五戸町出身のMF新井山祥智選手は「一年一年を勝負だと思って戦ってきた。サポーターには感謝しかない。勝っているときはもちろん、負けた試合でも温かい言葉をもらえたことが、選手の励みになった。勝つ姿を見せていきたい」とサポーターとの関わりを振り返る。
2022年には、選手がホームタウンを応援する「ホームタウン応援大使」を設けた。昨シーズン加入したMF山田尚幸選手は十和田市応援大使を担当。サポーターから寄せられた情報を元にプライベートでも十和田市を訪れることが多くなったといい、自身のSNSで同市の情報を発信している。同市で「十和田こども食堂」を運営する団体を支援しようとサポーターらに協力を呼びかけ、1カ月間の試合で走った距離と同等の重量の食品を寄付する独自の活動を展開する。例えば、50キロメートル走った月は50キログラム分を寄付するなど。山田選手は「自分が走った分、こども食堂を支援できる。そういう関係性の中で自分も力をもらえるし、より頑張れる」と話す。
ヴァンラーレは今期も「全緑(ぜんりょく)」を合言葉に、地域との結びつきを大切にしながら昇格に向けて戦う。今シーズンは全20チームによる総当たり2回戦で年間順位2位以内に入れば、J2昇格となる。
山田選手は「こども食堂がきっかけでスタジアムに足を運んでくれた人もいる。ホームタウンとの出合いは自分の力になっているし、出会いの大切さを強く感じている」と話し、新井山選手は「最後まで諦めずに戦うチームのスタイルを見てほしい。スタジアムグルメやイベントもあるので、楽しみに来てほしい」と呼びかける。
ホーム開幕戦のキックオフは14時。