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八戸・十和田で津軽三味線奏者・高橋竹山の歩み振り返る企画 没後25年で

来場を呼びかける大地の眼代表の明山遼さん

来場を呼びかける大地の眼代表の明山遼さん

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 青森県を代表する津軽三味線の名人、故・初代高橋竹山(ちくざん)の没後25年に合わせた演奏会と映画上映会が4月、十和田市と八戸市で開かれる。

津軽三味線を演奏する2代目・高橋竹山さん(大地の眼提供)

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 十和田市で映画上映会や映像制作などを手がける団体「大地の眼(め)」が主催。映画監督の大西功一さんが制作した初代・竹山の歩みを描くドキュメンタリー映画「津軽のカマリ」のキャラバンツアーが行われるのに合わせ、青森県南部地方でも初代・竹山の歩みに触れてもらおうと企画した。

 演奏会は4月20日、十和田市民文化センター(十和田市西三番町)生涯学習ホールで開催。津軽三味線奏者の2代目・高橋竹山さんが「津軽じょんがら節」「津軽山唄」などの楽曲を披露する。2代目・竹山さんが単独公演を南部地方で行うのは初めて。大地の眼代表の明山遼さんは「物事にとらわれず自由に楽器と向き合う演奏スタイルは初代と共通すると思う」と話す。18時30分開演。入場料は、前売り=3,200円、当日=3,700円。全席自由。チケットは同館受付で扱う。

 映画上映会は4月28日、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)で開催。「津軽のカマリ」の上映と大西さんによるトークショーを行い、初代・竹山の歩みを振り返る。上映時間は1回目=15時、2回目=18時30分。2回目の上映後、八戸出身の津軽三味線奏者・民謡歌手の松田隆行さんによる「津軽三味線ミニライブ」も予定。チケットは、1回目=1,500円、2回目=1,900円、当日は300円増。チケットは同館1階インフォメーションで扱う。

 初代・竹山は生前、「津軽のカマリが湧き出るような音を出したい」と語っていたという。「カマリ」は青森県の津軽弁・南部弁で「匂い」を表す言葉。作品では、明治に生まれ幼少期に麻疹によって視力を失った竹山が、裕福とは言えない暮らしや津軽の冬の厳しさなどから「津軽のカマリ」を求めて津軽三味線を奏でた生涯を、映像や音声、証言などを通して描いていく。明山さんは「津軽での暮らしは苦労が多かったと思う。カマリは目の見えなかった竹山がどんな思いで世の中を見聞きしたのかを表すキーワードだったのでは」と話す。竹山に津軽三味線の腕を見込まれ1997(平成9)年に「高橋竹山」の名を継いだ2代目・竹山さんが、襲名後に当地津軽地方の青森市で単独コンサートに臨むまでの歩みにも触れる。

 明山さんは「津軽三味線に触れたことがない人にも、普遍的な演奏家がいたことを知ってほしい。初代・竹山を知る人は、当時のことを思い出すような作品。言葉にならないことが伝わると思う」と呼びかける。「演奏会と上映会、どちらにも足を運んで欲しい」とも。

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