八戸で就労支援活動を行う「ふれ愛プラザあおば」(八戸市青葉2)が青森県産のホタテの貝殻を使ったスマートフォン用スタンド「青森県産スマホタテ」を商品化し、6月15日から販売する。
「ふれ愛プラザあおば」が発売したスマートフォンスタンド「青森県産スマホタテ」
就労機会を得ることが困難な人に就労・自立生活を促進する機会を提供する同施設。手作りの菓子・ヒバを使った木工製品の製造、パッケージ製品のラベル貼り、施設外での販売活動などを行う。
青森県産スマホタテは、八食センター(河原木)から使用済みのホタテの貝殻の提供を受け制作。全て利用者・職員の手作り。貝殻の表面に空いた穴にスマートフォンを縦向きに差し込んで使う。内側には貝柱の形に加工したヒバの木片を貼り付け、安定するよう工夫した。開発を手がけた職員の西村豪さんは「貝柱に厚みを持たせることで、貝殻を浮かせるように加工した」と言い、機種によっては「音楽を再生するとホタテの中から音楽が豊かに広がる」という。「スマホの厚み・大きさが違っても安定するように工夫した」とも。
ベニヤ板を使った「木製スマホタテ」も制作。貝の形に加工した開閉式のスタンドで、タブレットの設置にも対応する。
「全てはだじゃれから始まった」と西村さん。日頃から環境問題に関心があったといい、廃棄されるホタテの貝殻を再利用し「青森県らしい製品」を作りたいと考えていたところ、「スマホタテ」という言葉が思い浮かんだという。その後、開発会議を経て、同施設の利用者や同僚などの協力を得てヒバの木片を貝柱に見立て加工したり、スマートフォンに傷がつかないよう設置部分を加工したりするなどして開発を続け、完成にこぎ着けた。制作を担当する利用者は楽しみながら制作しているという。
6月9日、同施設のツイッター・インスタグラムで完成品を公開。ツイッターには「インテリアとしていいと思う」「発案者は思いついた瞬間にニヤッとしただろう」「プレゼントに良さそう」などの反応が寄せられ、投稿を見た人から購入希望の問い合わせもあるという。
今後の課題は「スマホを横向きに置けるようにすること」「充電できるようにすること」と西村さん。改良を続け、「青森県を知ってもらう新しいアイテムにしていきたい」と意気込む。
西村さんは「一つ一つ模様・形が違う。世界に一つだけのスマホタテを大事に使ってもらえれば」と笑顔を見せる。
価格は、青森県産スマホタテ=500円、木製スマホタテ=1,000円。6月15日~20日に八食センターで行う「3施設合同展示即売会」で販売した後、同施設の直売所「わーくわくショップあおば」、「漁港ストア」(新湊3)での販売を予定する。