青森県南部地方の伝統食「串餅」を多くの人に知ってもらおうと、八戸市内に住む71歳の日影芳光(よしみつ)さんが7月15日、「もち工房 串もち屋」(八戸市尻内町)をオープンした。
日影さんは三戸町出身。八戸市内の会社を69歳で定年退職。現在は7人の孫がいるという。2020年、親戚が集まった際に昔よく食べた「串餅」を手作りして振る舞ったことがきっかけで、自宅の前に店を作ることを決意。「懐かしい味を自分・友人だけではなく、多くの人に食べさせたい」という思いで準備を進め、オープンに至った。
「毎回同じ味に仕上げるため、レシピの考案に苦労した」と日影さん。串餅は国産の小麦粉と塩とお湯のみで作る。十分にこねた後、丸く平らにし、「お手製」の串に刺す。軽米産・三戸産のえごま、手作りのみそ、砂糖、卵、料理酒を使った「じゅうねみそ」を串餅にたっぷりと塗り、専用の機械で焼く。片面10~15分、完成まで約30分。時間をかけて焼くことで柔らかく仕上げているという。価格は1本150円。
店づくりは今年の2月に着手。土木関係の仕事をしていた経験を生かし、全て一人で手作りした。串餅を焼く機械は、試行錯誤を繰り返しながら手作りした。店の周りには趣味のガーデニングで育てた花と木製のベンチを並べた。
日影さんは「年配の人には昔食べた懐かしい味を思い出してほしい。子どもたちには昔の味を知ってもらい、伝統が続いていってほしい」と呼びかける。「今後は介護施設などで焼きたての串餅を提供してみたい」とも。
営業は土曜・日曜・祝日の10時~15時。