八戸の夏を彩る風物詩「八戸三社大祭」を後世につなげていこうと、市民で組織する山車組「城下附祭(しろしたつけまつり)」が6月から7月にかけて、八戸市立城下小学校(八戸市城下4)で「おはやし体験」に取り組んだ。
1975(昭和50)年から約50年、祭りに参加している同山車組。「おはやし体験」は、4年ぶりにみこし・山車の運行が行われる祭りに多くの子どもに参加してもらおうと企画。6月6日から、火曜・水曜の昼休みの時間に同山車組のメンバーが同校を訪れ、山車責任者の田中満(みつる)さんが中心となって小太鼓の体験を指導した。
「はやしを聞いてもらうことが祭りに興味を持つ第一歩」と田中さん。昼休みになると、子どもたちが続々と音楽室に集まる。短い時間で多くの子どもたちに体験してもらうよう工夫したという。7月12日の体験には60人以上の児童が参加。児童は笛の音色に合わせて元気よく小太鼓をたたいていた。
田中さんは「日常にはない小太鼓の練習をすることで、子どもたちの間でいいライバル関係ができたり、6年生は下級生に教えたりする。子どもたちはコミュニケーションを取りながら練習している」と子どもたちを見つめながら話す。
城下地区は同山車組の他、内丸親睦会、淀山車組、青山会山車組の4つの山車組がある。同校での「おはやし体験」は、各山車組への参加を促そうと、同山車組が独自に企画した。同山車組には例年、10人~15人の子どもが参加するが、今年は30人以上子どもたちが集まっているという。
同山車組に参加する3年生の女児は「みんなと合わせるのは大変だが、学校で太鼓の練習ができるのは楽しい。本番はかっこいいところを見せたい」と笑顔を見せる。
「この取り組みが市内の学校に広がり、子どもたちの祭りへの参加が増えてほしい」と田中さん。2020~2022年は規模を縮小した八戸三社大祭。今年は4年ぶりに例年通りの規模で開催されるが、市内ではコロナ禍・少子高齢化の影響で参加者が減った山車組もあるという。
田中さんは「(おはやし体験が)将来的に八戸三社大祭が永続的につながる一助になれば。地域みんなで祭りを盛り上げたい。それを見る人たちが『お祭り、良かったな。また来年も楽しくやってほしいな』と思える祭りになれば」と意気込む。