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八戸・南部会館で「南部の殿」が講演 南部杜氏・八戸三社大祭の歴史も

南部会館で講演する南部光隆さん

南部会館で講演する南部光隆さん

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 八戸藩南部家16代当主の南部光隆さんが大名家の視点から八戸の歴史を伝える講演「超わかりやすい八戸南部藩の歴史」が8月2日、南部会館(八戸市内丸3)で開かれた。

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 4年ぶりに通常開催された八戸三社大祭に合わせ、施設を管理するデーリー東北新聞社が企画。「南部の殿」の話を聞けるとあって、当日は50人の市民・歴史ファンが詰めかけた。

 南部さんは埼玉県在住の銀行員。この日は「世が世ではないので、先週は残業が多かった」などと笑いを誘いながら、平安時代~明治初期の南部氏の歩みと日本史の流れを重ね合わせ、初心者向けに講演。江戸時代、八戸三社大祭の起源とされるみこし渡御が行われた背景については、「1720年ごろ、春から夏にかけて冷害が続くなか、八戸城下の商人が現在のおがみ神社で祈とうしたところ天気が回復。これが4代目藩主南部広信(ひろのぶ)の耳に入り、祭礼を盛大に行うように指示した」と解説した。

 「南部杜氏発祥の地」とされる八戸藩の飛び地「志和(しわ)」(岩手県紫波町)にも触れ、「近江商人の村井権兵衛が池田流の『澄み酒(すみざけ)』の職人を呼び、酒造りを始めた」と話した。

 5代目藩主南部信興(のぶおき)が残した家訓「上見れば及ばぬことの多かりき 笠着て暮らせ己が心に」も紹介。「謙虚につつましく、身の程に合った暮らしをしなさいという意味が込められている」と話し、「だから私は今でも5ナンバー・1500CCの車に乗っている。燃費が良くて助かっている」と笑いを誘った。

 講演の最後、修繕活動を続ける金地院(こんちいん)(東京都港区)の江戸墓所にも触れ、「東京タワーの正面玄関の向かいにあるので、ぜひ立ち寄ってほしい」と呼びかけた。

 講演後、「歴史が苦手な人でも分かるように話してみた。思ったよりも反応が良く、とても助かった」と南部さん。4年ぶりに通常開催された八戸三社大祭については、4代目南部広信の時代を念頭に「何とか八戸の伝統を守り、歴史を次につなげていきたい」と力を込める。

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