チューバ奏者の本橋隼人さんが6月18日~22日、青森県を訪れた。
2008(平成20)年~2020年、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)のショーやイベントでチューバとスーザフォンの演奏を担当した本橋さん。2021年、動画配信サイトでチューバの演奏を毎日配信し、視聴者からの投げ銭でプラスチック製の黄色いチューバを購入。2023年1月から「47都道府県黄色いチューバの旅」と銘打ち全国でソロ演奏を披露する活動を始めた。これまでに35府県を訪れ、各地の山の頂上でチューバを吹いたり、ライブハウスや学校でソロ演奏を披露したりし、活動の様子をユーチューブで公開している。自宅のある関東地方から車を約12時間運転して北上し、初めて青森県を訪れた。
19日は野辺地町の烏帽子岳にチューバを担いで登り、山頂で演奏した。「とても天気が良く、陸奥湾も見えた。空にも音楽が響いているような、非日常的な感覚になった」と本橋さん。同町の散策中に偶然見つけたという楽器店「楽器のさわぐち」(野辺地町田名部道)にも立ち寄った。同店の澤口美紀さんとマウスピースの話で1時間ほど盛り上がったという。
20日は喫茶るぽぞん(八戸市大工町)でソロライブを開いた。夫の智幸さんと駆け付けた澤口さんらの前で、「アメージンググレース」「パートオブユアワールド」などのゆったりとしたテンポの曲や、「情熱大陸」「ミッキーマウスマーチ」「リベルタンゴ」などのアップテンポの曲、作曲家の高橋宏樹さんが本橋さんのために作曲したという作品「ファルコペレグリーノ」を演奏したほか、たまたま同店を訪れていて演奏に飛び入り参加したジャズピアニストのデビッド・マシューズさんと「星に願いを」「枯葉」を一緒に披露する場面もあった。本橋さんによると、チューバは約4オクターブの音域を奏でることができるという。会場を訪れた市民は、本橋さんが高い音や低い音を交えて表情豊かに奏でる主旋律に聞き入った。
澤口さんは「本橋さんと偶然出会い、これは夫にも聞かせたいと思った。チューバはリズムを刻むイメージ。ソロで感情を付けてメロディーを吹き、とてもすてきだった」と話す。
21日は桔梗野小学校(市川町)で活動する器楽愛好会「桔梗野ミュージックフレンズ」を訪れ、詰めかけた児童と保護者、教員合わせて約50人を前に演奏を披露。本橋さんが音楽グループYOASOBIの「アイドル」を演奏すると、児童は一緒になって歌ったり、手拍子を取ったり、リズムに合わせて体を揺らしたりして楽しんでいた。児童との合同演奏では、マシューズさんが手がけた同校70周年記念の曲「ゆめのはな」を演奏。マシューズさんも駆け付け、児童と本橋さんの交流を見守った。
青森県を離れた後、北海道釧路市で演奏活動を行った本橋さんは今後、残りの10都県を巡ることを目指し、旅を続ける。「チューバの魅力を知ってもらうために全国を旅している。チューバはメロディーを担当することはあまりないが、音がよく響く楽器なので、癒やされると思う。ぜひ生で聞いてほしい」と話す。
7月2日には八戸のコミュニティー放送局「BeFM」(番町)の番組に出演する。青森県を訪れた感想を話すほか、演奏も披露する予定。放送は17時10分から。