ワイン用ブドウを生産する「南郷ひなた農園」(八戸市南郷大森)で現在、今季のブドウの収穫が行われている。
澤井勝吉さん・さい子さん夫婦が営む同園。約2.5ヘクタールの園地で、白ワイン用の「シャルドネ」「リースニング」、赤ワイン用の「ツヴァイゲルトレーベ」「メルロー」などを栽培する。毎年9月中旬から10月中旬にかけて収穫を行う。
今年収穫するブドウは2019年4月に植えられたもので、収量は昨年より約1.5トン多い約6トンを見込む。このうち、昨年約200キロの収穫だったリースニングは約1トンの収穫を見込む豊作となったという。勝吉さんは「今年は天気も良く、収穫する時に気温が下がったことでブドウが腐らなかった。良い状態で収穫できたことが豊作につながった」と笑顔を見せる。
収穫したブドウは、岩手県内のワイナリーに醸造を委託し、来年秋ごろに同園オリジナルのワインブランド「ピアソルテ」として販売する予定という。
澤井さん一家は1890(明治23)年から南郷大森地区に園地を置き、昭和初期から葉タバコの栽培に取り組んできたが、東日本大震災やたばこの需要減少などの影響を受け2012(平成24)年に廃作。2016(平成28)年からワイン用ブドウの栽培に取り組む。現在はブドウの栽培の傍ら、八戸市の補助金などを使って2026年に直営のワイナリーを設立し自家製のワインを製造することを目指す。11月9日には、ワイン試飲会を八戸プラザホテルで開く予定。
勝吉さんは「いろいろな人に私たちのワインを知ってもらい、楽しんでほしい」と話す。