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83歳・野月さんの露店が営業再開 八戸「いわとくパルコ」路地裏から移転

店先に立つ野月さん

店先に立つ野月さん

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 閉館した商業ビル「いわとくパルコ」(八戸市六日町)の路地裏に出店してきた野月ちえさんの露店が4月1日、ヤグラ横丁沿いのラーメン店「松寛商店」(三日町)の軒先に移転し、営業を再開した。

以前営業していた「いわとくパルコ」の路地裏

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 現在83歳の野月さん。約40年、中心街で漬け物や切り花を販売する露店を切り盛りしてきた。いわとくパルコが3月31で閉館することが決まり、野月さんが退去することになったことを知った松寛コーポレーションの松坂匡克社長が、3月にラーメン店を出店するタイミングに合わせて野月さんに声をかけた。ラーメン店の開店時間は19時。野月さんは開店前の店先を借りて営業する。

 野月さんは約40年前、かつて鍛冶町地区で行われていた片町朝市に出店していた母親から商売を学び、中心街の三日町で路上販売を始めた。いわとくパルコ沿いに出店してからは約23年になるが、同館の閉館が決まった後も移転先が決まっていなかったという。

 店には、梅干し、奈良漬け、昆布のみそ漬け、キュウリの漬物、刺し身、鮮魚、フキノトウ、大豆、クルミなどが並ぶ。

 「総菜や魚は全て自分で仕入れてくる。私が作っているのは花だけ」と野月さん。早朝から市内の魚市場やなじみの商店を巡り、仕入れた物をその日の天候に合わせて店先に並べる。自宅の庭先で育てる花が旬を迎えると、季節に合わせた苗木や切り花の販売も行う。「これからは花が店先にたくさん並ぶ」(野月さん)という。

 10日にはツバキの切り花を並べたところ、早速買い求める市民の姿があった。店先には常連客や買い物客が途切れなく訪れる。「ここに移転してくれてよかった」と声をかけながら品定めする人もいた。

 野月さんは「困ったときは店に来て座っておしゃべりをしていく人も多い。常連さんが安くて買いやすいと言ってくれることがうれしい。無理せず、できるだけ続けていきたい。後3、4年くらいは頑張れるかな」と話す。

 営業時間は8時30分~16時。土曜・日曜定休。

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