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八戸で「南郷ジャズ」、青天の下で合併20周年祝う 「androp」の内澤さんが初出演

熱帯JAZZ楽団のステージでトランペットを演奏する類家さん

熱帯JAZZ楽団のステージでトランペットを演奏する類家さん

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 八戸の夏を彩る音楽フェス「第33回南郷サマージャズフェスティバル2025」が7月26日、カッコーの森エコーランド(八戸市南郷)で開かれた。

内澤さんは弦楽4重奏にアレンジされたandropの楽曲を演奏した

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 1990(平成)年、旧南郷村がスタートさせた同フェス。八戸市との合併20周年を祝って開催された今回は県内外から約1200人の音楽ファンが詰めかけ、芝生に寝そべったり、リズムに合わせて体を揺らしたりしながら、自然豊かな同公園に響く演奏に聞き入った。昨年は雨が降る中で開催されたが、今年は青天に恵まれた。

 オープニング演奏には市立中沢中学校(同)ジャズバンド部やビッグバンド「スウィング・ベリー・ジャズオーケストラ(SJO)」が出演。SJOのステージではシンガー・ソングライターで十和田出身の桜田マコトさんが歌声を披露した。客席後方の芝生では鮫神楽連中が三番叟(さんばそう)の披露や来場者の頭をかむ身固めを行い、会場を清めた。

 同地区に縁が深いというロックバンド「androp(アンドロップ)」の内澤崇仁さんは、弦楽グループ「ロッキンカルテット」のゲストボーカルとして同フェスに初出演。「Tonbi」「Yeah!Yeah!Yeah!」「SummerDay」「Hikari」などandropの楽曲をバイオリン奏者のNAOTOさんによる弦楽アレンジに合わせて歌い上げた。途中、花束を持った親戚がステージに現れ、来場客と一緒に記念写真を撮影する一幕もあり、会場は和気あいあいとした空気に包まれた。

 ジャズグループ「RS5pb」のステージは、リーダーでトランペット奏者の類家心平さん、ピアニストの中嶋錠二さんなど、八戸出身の出演者も。類家さんとギター奏者の加藤一平さんが激しいアドリブ演奏を披露する場面もあり、会場を沸かせた。類家さんは学生時代、トランペット奏者・日野皓正さんの演奏を聞くために路線バスに乗って同フェスを訪れたことがあるという。

 ジャズシンガーのケイコ・リーさんは初出演。会場にヒグラシの鳴き声が響く中「上を向いて歩こう」「イマジン」などを歌い上げた。

 トリを務めたジャズビッグバンド「熱帯JAZZ楽団」のステージでは、詰めかけた来場客のほとんどが立ち上がり、踊ったり歓声を上げたりして、会場が熱気に包まれた。アンコールの「スウィングしなけりゃ意味ないね」の演奏では、類家さん、ケイコ・リーさん、内澤さんらが再登場。内澤さんはステージの前で踊る子どもたちに打楽器を渡して一緒に演奏したり、バックヤードで見守っている同フェス実行委員会会長の壬生八十博さんをステージに引き込んだりして盛り上げた。熱帯JAZZ楽団のカルロス菅野さんと内澤さん、壬生さんが一緒に踊る一幕もあった。

 「合併によってこのままジャズフェスを続けて行けるか心配した頃もあったが、多くの皆さんが会場に来てくれて今につながっている。内澤さんのように、地元に縁のある人が活躍していることは誇らしい。皆さんの協力によって、南郷が音楽の町だと知ってもらえれば」と壬生さん。内澤さんは「夏はプールに来たり、走ったり、虫を取りに来ていた場所に音楽家として戻って来られてうれしい。これからも音楽活動を通して八戸を知ってもらうことができたら」と話す。

 菅野さんは「ステージから見る会場の景色が最高だった。全国でジャズフェスの数が減っている。南郷がこれからも盛り上がってくれたら」と期待を寄せる。

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