八戸市の白銀(しろがね)地区に伝承される「白銀四頭権現神楽(しろがねしとうごんげんかぐら)」が6月1日、同市の無形民俗文化財に指定された。
「白銀四頭権現神楽(しろがねしとうごんげんかぐら)」だけに残る演目「機織り」
同市の文化財の指定は2008年に有形文化財になった「大黒天像」以来で72件目、無形民俗文化財としては、2003年の「島守虎舞」に続いて7件目となる。
白銀四頭権現神楽は、権現様と呼ばれる獅子頭を奉持し、寺社や家々を訪れ、家内安全や厄払い、豊作・豊漁、供養などさまざまな願いに応じて、儀式的な演目や演劇的な演目を演じる山伏神楽の一つ。1785(宝暦8)年から伝わる市内でも有数の歴史と多彩な演目(現在18演目が上演可能)がある。
毎年1月1日から4、5日まで、町内の寺社、お堂、事業所、個人宅で春祈とうを行う。春祈とうや寺社での奉納は、白銀地区のなりわいや信仰と深く関わり、民族的な背景を維持している。市内で白銀四頭権現神楽だけに残っている演目に「機織り」という女舞がある。
白銀四頭権現神楽保存会会長の清水芳美さんは「指定を喜ばしく思う。後継者の養成も順調である」と話す。
指定に合わせて白銀公民館(八戸市白銀3、TEL 0178-33-2633)玄関ホールで記念パネル展も開かれ、白銀四頭権現神楽の内容や指定のポイントについて紹介する。開館時間は8時30分~17時。土曜・日曜休館。パネル展は7月7日まで。