国指定重要無形民俗文化財の「八戸三社大祭」が7月31日、前夜祭で幕を開けた。
八戸三社大祭は青森県南地域最大級の祭りで約290年の歴史と伝統を誇る。例年7月31日から8月4日まで大型山車が市内中心部を練り歩く。8月1日の「お通り」と8月3日の「お還(かえ)り」では、三社大祭の由来にもなっている、おがみ神社、新羅神社、神明宮の3神社の神輿(みこし)行列と大型山車の合同巡幸が行われる。
前夜祭では、開始時間の18時に合わせて中心街に、完成したばかりの大型の山車27台が続々と集結。18時の開始の合図の狼煙(のろし)が上がると、おはやしと子どもたちの元気な掛け声が響き、ライトアップされた山車が仕掛けを高々と広げると、沿道に詰めかけた観客からは大きな拍手や歓声が上がった。
今年から山車の審査方式が一部見直され、全27組の山車組から1人が新たに審査に加わるため、各組の審査員も採点表を手に審査を行っていた。審査発表と表彰は2日の16時におまつり広場で行われる。
この日は期間中唯一の日曜ということもあり、八戸観光コンベンション協会発表の観客入り込み数は昨年を2万人上回り、現在の算出方法となった2001年以降最多となる26万人となった。
山車組の一つ、内丸親睦会の制作責任者の赤坂誠さんは「やっと山車も完成して、前夜祭の会場に皆さんに無事に山車をお見せできてうれしく思う。作業で徹夜はしたくなかったが、結局、最後は徹夜になってしまった。午前4時まで作業をして、仮眠をとって、出発する前まで作業をしていた。おかげさまでなかなか良い出来で満足はしている。大人も子どもも5日間けがなく終われれば」と話す。
同祭期間中、おがみ神社例祭や加賀美流騎馬打毬(だきゅう)、ステージイベントなども開かれ、八戸市内は祭りムード一色に包まれる。