八戸市の中心街に多数ある横丁(八戸市六日町ほか)を舞台に9月7日・8日、アートイベント「酔っ払いに愛を 横丁オンリーユーシアター」が開催された。
若い女性の部屋を模した空間で「今日は家に帰る」を演じる金子愛帆(まなほ)さん
飲食店街が連なる同市中心街の路地や空き店舗などを利用して、アーティストが同時的多発的にパフォーマンスを行った。実行委員会によると、当日は天候にも恵まれ、昨年より多い約1000人の人出となった。
路地を利用してパフォーマンスを行うことから、近隣の飲食店から帰る人がドアを開けて驚く姿や、通りすがりにパフォーマンスに遭遇しそのまま見学する人の姿も見られた。
飲食店ビルの空き店舗を利用して行われた、斉藤栄治さんの「百日酔いの花」では、薄暗い倉庫のような雰囲気の中、白塗りの斉藤さんが妖しげに踊った。観客は当初戸惑うような様子だったが、徐々に斉藤さんのダンスに引き込まれていった。
ダンサーの金子愛帆(まなほ)さんは、ビルの中の空きスペースを利用し、若い女性の部屋を模した空間を作り上げ、ダンスパフォーマンスを披露した。パフォーマンスを見ていた30代の男性は「女性の部屋をのぞいているようで、見ていて少し恥ずかしかった」と、照れくさそうに話した。
同時多発的に各所でダンス、芝居、落語、朗読、民謡などの多彩なパフォーマンスが繰り広げられたことから、ダンスに興味がある人が落語を見たり、民謡に興味がある人がダンスを見たりするなど、お目当てのジャンルやアーティスト以外のアートパフォーマンスも楽しんだ。
実行委員会の今川和佳子さんは「去年まで無料で、今年からは有料のチケット制になったので人出が心配だったが、去年より多い人出でホッとしている。観客の方にも満足していただけたと思う」と話し、「イベントを通じて、アーティスト同士の交流や、アーティストと八戸市民との交流も促進されたと思う。これを機にアートに親しんでもらえるきっかけになれば」と、コミュニティー的な役割を果たした意義を強調した。
「このイベントが、他の有名なイベントのように、出演することがステータスとなるようなイベントにしていきたい。来年もやる予定なので、ぜひまた皆さまご来場ください」とも。