八戸家畜市場(青森県南部町埖渡)で7月4日、2016年生まれの競走馬(サラブレッド)1歳馬の競り市「八戸市場」が開かれた。
同市場は1956(昭和31)年から行われ、北海道外では最大規模の1歳市場。これまで2001年のG1レース「阪神ジュベナイルフィリーズ」を制したタムロチェリーなどを輩出している。青森県の馬産は北海道と比較して長らく衰退傾向にあったが、昨年のジャパンダービー(G1)で優勝した村上幹夫(階上町)さん生産のキョウエイギア、諏訪牧場(七戸町)のミライヘノツバサが長距離の重賞戦線で活躍するなど、市場・牧場関係者の努力で近年活況を取り戻しつつある。
競りでは、上場馬40頭のうち77.5%にあたる31頭が売却され昨年の61.9%を大きく上回った総売上も、11年ぶりに1億円を突破し活況を見せた。全国から集まった94組の馬主や関係者は血統や馬体に目を光らせ競りに参加した。
今年の最高値は八戸市の谷川博勝さんが生産した牡馬の「ミネルバローズ2016」(父アルデバランⅡ)で660万円(税別)で取引された。競り落とされた馬たちは調教を積み、早ければ来年2018年の夏に競馬場でデビューを迎える。
青森県軽種馬生産農業協同組合の山内正孝組合長は「総額1億円超えは、以前に比べて半分近い頭数での達成で率直にうれしい。数年前から景気の回復とともに競馬の売上が伸びてきたいい影響が市場にも回ってきてると思う。馬主への営業努力、青森県の少ない生産頭数でも活躍する馬が出てきたこと、数年にわたって生産者に対して馬を競りに向けて仕上げるための講習を続けてきたことなどが実を結んでいる」と話す。