八戸地域広域市町村圏事務組合消防本部(八戸市田向)で12月1日、消防職員が消防業務に対する提言などを行う「消防職員意見発表会」が開かれた。
同発表会は職務を通じて体験したことや地域社会との関わりなどをもとに、今後の消防業務に取り組む姿勢などを消防職員の立場から発表し、職員の士気の高揚を図ることを目的として毎年行っている。今年は9人の職員が出場。AEDや救命講習、自主防災組織などをテーマに発表を行った。審査員は消防長や学識経験者などの4人が務めた。
審査の結果、優秀賞に輝いたのは「非常招集時保育制度の導入へ」という演題で発表した三戸消防署田子分署の上野寿希也さん。小さい子どもを持つ先輩職員が非常招集がかかった際に子どもの預け先を探すのに苦労し、到着が遅れた出来事から、女性消防団員を活用した保育制度の導入を提案。消防署内の一角を保育スペースとし、一時的に子どもを預かるというもので、親族や身内が近くにいなくても非常時の不安を払しょくし、仕事に専念できることや、女性消防職員の仕事と家庭の両立につながるメリットを強調。自らの勤務地をモデル地域として、災害時の保育制度を試行的に実施し、全国の子育て世代の消防職員が不安なく業務に当たることができると訴えた。
上野さんは受賞について「このような賞をまさか頂けるとは思わなかったのでとてもうれしい。発表では来てくださった全員に自分の意見が通じるようにゆっくり話すよう心掛けた。とても緊張したがたくさん練習したので途中からはリラックスして発表できた。県大会では多くの方に自分の発表や意見が通じるような発表をしたい」と話す。
上野さんは来年2月に青森市で開催される県大会に八戸地区代表として出場する。