八戸で伝統刺し子「南部菱刺し連絡会」発足 作家や愛好家ら30人で

発起人の中村さん

発起人の中村さん

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 八戸市の八戸ポータルミュージアム「はっち」で3月17日、八戸地方に伝わる刺し子の技法「南部菱(ひし)刺し」の作家らが集まり「南部菱刺し連絡会」を発足した。

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 「南部菱刺し」は「津軽こぎん刺し」「庄内刺し子」と合わせ日本三大刺し子とも言われる。津軽こぎん刺しは古い資料も残されており、昭和初期から伝統産業として継承活動を積極的に行ってきたこともあり、全国的に伝統工芸として認知されている。

 南部菱刺しは全国的に伝統工芸として知られるほどまで認知度が広がっているとは言いがたく、こぎん刺しと間違われることもある。八戸地方では菱刺しに魅せられた女性たちが中心になり地道に継承され、今では誰もが楽しめる趣味手芸の一つとして、多くの人たちに愛好されている。

 菱刺し文化の継承のため、文献の保存に努め技法や模様などの歴史と伝統を守り、現代に伝えていく必要性の認知が高まっている。より一層伝統産業として位置付け、全国的に伝統工芸として広めるため、交流を深め協同して伝統工芸を守っていくため作家や愛好家ら約30人で「南部菱刺し連絡会」を設立した。

 同連絡会の発起人代表を務める「南部菱刺し工房 アトリエ縹 HANADA」の中村禮子(れいこ)さんは「今回、『国際絞り会議』で刺し子にスポットを当てて、南部菱刺しは私のところに連絡がきた。一人では限りがあるので、菱刺しを刺している皆さんに声を掛け連絡会を設立した。八戸だけではなく、五戸、七戸、おいらせ、南部、二戸からも参加してくれた。菱刺しはこぎん刺しより歴史が古いが、藩令で督励したこぎん刺しと違い、菱刺しは農民の生活から生まれたもので、ほったらかしにされていたせいもあって認知度が低いのかもしれない」と話す。

 7月7日~10日には東北芸術工科大学(山形市)で「第11回国際絞り会議 in Japan」が開かれ、展覧会の中で「日本の刺し子展」も催す。

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