八戸市教育委員会は郷土芸能「えんぶり」について総合調査を計画し現在、かつてあった「えんぶり組」や「苗取り組」の情報提供を市民に呼び掛けている。
えんぶりは1979(昭和54)年に青森県内で初の国重要無形民俗文化財に指定され、来年は指定から40年の節目の年となる。えんぶりを舞う単位となるえんぶり組はかつて70組ほどあったとされるが、現在は30組前後まで減少し、中には後継者不足で活動休止を視野に入れざるを得ない組もある。
えんぶりは、文化・技術の保存、承継が大きな課題となっているが、指定から40年の節目を前に市教育委員会で広く情報提供を呼び掛け、それを基に総合的な調査に発展させる予定で、約50年ぶりの本格的な調査となる。
八戸市教育委員会社会教育課の小林力(つとむ)さんは「えんぶりの総合調査を計画し、その予備調査として、かつてあった『えんぶり組』や『苗取り組』の情報収集を始めた。本年度いっぱいかけて、どこに組があったかを調べたい。GW以降、周辺町村にも調査を依頼する」と経緯を説明。「『えんぶり組』は昭和30年代に多かったようだが、その後、青年団がなくなっていくのに伴って『えんぶり組』も減っていったようだ。『○○にこういう組があった』とか、写真、烏帽子(えぼし)など些細な情報でも構わないので情報を寄せてほしい」と呼び掛ける。
情報提供は八戸市庁舎本館(八戸市内丸)4階の社会教育課窓口(電話・ファクス・郵送)で受け付けるほか、「えんぶり総合調査」特設ホームページのメールフォームからも。