八戸市の三八五グループが運営する八戸パークホテル(八戸市吹上1)の中国料理長古川猛(たける)さんが5月8日、中国政府の国家資格「営養薬膳師」の資格を取得した。
同資格は中国政府・国家中医薬管理局・中華中医薬学会・営養薬膳専科分会から認定される国家資格。日本国内では日本中国料理協会(東京都中央区)が試験を実施。資格認定を受けるには食養薬膳学を学び3つの部門で3回試験を受け合格する必要がある。合格には、食養薬膳学の歴史や基本思想、東洋医学、漢方薬など幅広い分野の知識が必要で、同資格は八戸市内では古川さんの認定が初となる。
古川さんは2年間にわたって通信講座を受講、毎月行われる小テストを受け、営養薬膳師の資格取得に至った。専門調理師の資格を25歳の時に取得していたため、実技試験は免除された。
古川さんは高校卒業後1986(昭和61)年に同ホテルに入社、以来32年にわたって中国料理を担当してきた。2006年からは中国料理の料理長を務めている。ホテルに入社したのは喫茶店を経営していた母親の影響もあった。幼い頃から書道を習っていて、漢字に親しみを感じていたことから中国料理の道を選んだ。包丁の握り方をはじめとして、中国料理のほとんどを同ホテルの厨房(ちゅうぼう)で学んだ。これまでのキャリアを生かし、より説得力のある料理を目指そうと、八戸市内で初めて営養薬膳師の取得にチャレンジすることを決意した。
古川さんは「長い期間通信教育で勉強していたので、取得できてホッとしている。ホテルに来るお客さまに美味しい料理を提供する上で、食材の持つ作用などについて一つずつ伝えることができれば、もっと楽しく食事していただけるのではないか。八戸パークホテルに来ていただき、ゆったりと食事を楽しみ、おいしかったと言っていただけたら一番うれしい」と話す。「今後は栄養薬膳師の知識を少しずつメニューに取り入れて行きたい」と抱負も。