八戸市の八太郎地区で伝承されている盆踊り「八太郎おしまこ」が8月1日、八戸市文化財(種別:無形民俗文化財)の指定を受けた。
八太郎おしまこは、おしまこ節で踊る盆踊りで円陣を作り楽器を用いずに歌と地面をする足音を伴奏にして踊るのが特徴。歌は七七七五調の詩型で声を重ね合わせながら掛け合う。
八戸市教育委員会社会教育課は「声を重ね合わせながらの掛け合いや言葉を長く伸ばすといった、八戸地方のおしまこ節の古い歌唱形態を保持、歌と地面をする足音を伴奏にして踊る、八戸地方の盆踊の古い形態を保持するなど、盆踊りの変遷過程や地域的特色を示す。踊り方には、ヤマセが頻繁に吹き付ける中での稲の豊作を祈願する八太郎の自然環境と生業が反映されていて地域的特色を示す」と指定に値する特色を話す。
8月4日には八太郎生活館(八戸市八太郎2)で指定書交付式が行われ、指定書が保存団体の八太郎おしまこ保存会に手渡されたほか、保存会による八太郎おしまこの上演も行われ文化財指定を祝った。
同保存会会長の木村鉄男さんは「八太郎おしまこは、八太郎生活館や根岸公民館で練習している。保存会を作って『おしまこ』を伝承・継承しているのも、指定の評価の対象になったのではないか。八太郎えんぶり組も保存会に協力している。三味線や笛を、という声が出たこともあったが、演奏が入ると踊りのテンポが狂うので昔通りに、ということで続けている。おしまこといえば下北の田名部や八戸の白銀が有名だが、八太郎は『地域』より狭い『町内』に伝承されている。珍しいことと思う」と話す。