武蔵野美術大学(東京都小平市)の学生たちが全国各地の小中学校でアートの楽しさを伝える「旅するムサビ」が8月31日、八戸市立長者中学校と白山台中学校で行われた。
「旅するムサビ」は日本各地の学校教員と協力して展開するプロジェクト。八戸市新美術館建設推進室では2020年度の開館に向けた学校連携企画として、生徒たちにアートを身近に感じてもらう目的で同プロジェクトを実施した。
長者中学校では8つの教室で「黒板ジャック」が行われた。前日の30日に8つの教室を立ち入り禁止にして、大学生8人が9時間ほどかけて黒板にそれぞれチョークでタカや城、田園などの画を描いた。翌朝、生徒たちは教室に入ると驚きと感動の声を上げ作品に見入っていた。生徒らは大学生から絵の説明を受けたり、質問をしたりした後、各教室を回って作品を見学していた。
白山台中学校では大学生と中学生による対話型の作品鑑賞を行った。
武蔵野美術大学日本画学科3年の武市華奈江さんは「中学生たちに時間をかけて描いたものが伝わってうれしかった。普段の教室の黒板に普通のチョークを使った絵を描くことでがらりと変わった空間を感じることができるのが黒板ジャックの魅力だと思う。美術に関心を持ってもらえるきっかけの一つになれば」と話す。
長者中学校3年生の根城志音さんは「迫力があって驚いて言葉が出なかった。影の付け方が上手で絵が立体的に見えた」、犹守翔愛さんは「黒板アートを実際に目にするのは初めて。黒板の色を残しているところや、チョークの色を変えているなど細かいところもすごいと思った」と声を弾ませた。