青森県南地方の地名などに残っている「縄文の言葉」を八戸市在住の向谷地芳久さんがまとめ、10月29日、書籍「縄文語あれこれ 気にかかる地名と言葉」として出版した。
向谷地さんが考古学に興味を持ったのは高校生時代。高校社会科教員として勤務時代は部活動(空手道)の指導に時間を取られ、考古学の知見を書籍にまとめようと思ったのは退職後。「縄文人の心が知りたい」との思いから自ら直接各地に出向きフィールドワークを続け記録を蓄積した。「鮫が捕れたから鮫町」などの間違った情報が流布し続けていることに心を痛めていたことも、書籍発行のモチベーションになったという。
書籍では地名のみならず生活に関わる言葉を分かりやすく解説。青森県南地方のアイヌ語からの影響も詳しく解説する。
「年々、自然も生活環境も変わり、それに伴い地名や私たちの生活も変わってきて言葉も変わった。もともとの言葉はどういう言葉だったのか、語源は何だったのか、昔の人たちはどういう気持ちでこの言葉を使っていたのかをまとめてみたら、行きつく先は縄文の言葉だったと気が付いた」と向谷地さん。「まだ半分も記録できていない。10年以内の出版を目指し、第2弾・第3弾を執筆中。多くの人に読んでいただければと思う」と続編の構想もある。
販売場所は伊吉書院八戸類家店(八戸市南類家1)、同八戸西店(河原木)、カネイリ本店(番町)、同イオン下田店(おいらせ町)、成田本店湊高台店(湊高台2)、是川縄文館(是川)、洗心美術館(長苗代)。1,620円。