清掃や浄化を主題に創作活動を行っている美術家の岩井優さんの個展「きれいにする」が12月21日から、八戸学院大学短期大学部幼児保育学科棟内「H∞L Gallery」(八戸市美保野)で開かれている。
岩井さんは清掃や浄化など身近な問題提起を題材に映像・パフォーマンス・インスタレーションなどを世界各地で制作・発表するアーティスト。大学生のときからゴミを集めて作品にすることを始め、映像作品へと発展。ゴミは「誰かが使ったもの」で、その誰かの痕跡が好きでゴミに興味を持ち始めた。「一言に『ゴミ』と言うとゴミだが、誰かの痕跡があるものと思えばいろいろな情報が付いていると思う」と岩井さん。
同展は同短期大学部講師の池田拓馬さんが、現役の学生たちは、美容や清潔に興味があったり気を遣ったりすることも多いことから、「きれいにする」ことへの問い掛けを分かりやすく伝えられると思い企画した。
展示では「きれいにする」というキーワードをもとに、食器や油汚れを「きれいにする」洗剤を用いたパフォーマンス、路上にあるものに美容術をほどこし「きれいにする」行為などの映像作品上映、学生と協働したワークショップや成果作品を合わせて展示する。
岩井さんは「洗う、整える、化粧する、いくつかの営みを日本語では一言で『きれいにする』と言う。きれい、汚いというのはみんなが共通して持っている感覚だが、その基準は人それぞれ違う。一言に『きれい』『汚い』とは言えない。その簡単なようで曖昧なところを展覧会や学生を交えたワークショップで伝えて、生活の中で問いかけるきっかけになればうれしい」と話す。
開廊時間は10時~17時。土曜・日曜・祝日休廊(12月29日~1月6日、1月17日~20日は臨時休廊)。入場無料。2月1日まで。