八戸市のポータルミュージアム「はっち」(八戸市三日町)で6月26日、野田公俊(まさとし)さんの日本細菌学会浅川賞の受賞を記念した講演会「細菌感染症の最前線」が開催された。
野田さんは八戸市出身。東京大学大学院医学研究科で医学博士号を取得。同大学医科学研究所細菌感染研究部、米国国立衛生研究所客員研究員を経て、現在は千葉大学大学院医学研究院病原細菌制御学教授を務める。2009年から2011年まで、日本細菌学会理事長も務めた。
2012年には、世界で初めてO-157が引き起こす「腸管出血性大腸菌感染症」が重症化する要因を解明。今年3月には、日本細菌学会の最高賞に当たる浅川賞を受賞した。研究活動のほか、子どもの理科離れのために無料出張講演活動を行うほか、八戸市の魅力や良さを伝える「八戸大使」などの活動にも取り組む。
講演会に先立ち、小林眞市長が「昨年はスポーツで八戸は金メダルをはじめとするたくさんの栄誉ある賞に輝いた。そして今回の細菌学会最高峰の浅川賞。文武両道の街と言えるのでは」とあいさつ。
講演では、細菌や感染症の最新の話題を市民にも分かるようにユーモアを交えて話し、家庭でもできるO-157の予防法などを紹介した。特に「O-157を殺すには」の部分では「O-157」を逆から読み「75度の加熱を1分で OK」という標語を提唱し、訪れた市民200人は盛んにメモを取っていた。