アカデミックトーク「寺山修司記念館企画展『青女たち・女神たち 寺山修司の女性論』解説」が1月11日、八戸ブックセンター(八戸市六日町)読書会ルームで開かれた。
三沢市寺山修司記念館(三沢市三沢)で開催中の企画展「青女たち・女神たち 寺山修司の女性論」について、同館学芸員の広瀬有紀さんが解説。両施設は寺山の戸籍上の出生日である1月10日に合わせ、寺山に関するトークイベントを同センターで開いてきた。今回は5回目。1974(昭和49)年に刊行された「青女論」を展開するとともに寺山のエッセーと、写真家・鋤田正義さんの作品を展示する。
当日は、広瀬さん「青女論」に関するテキストや画像を投影しながら解説。寺山が男性の「青年」に対して女性に使ったという造語「青女(せいじょ)」をキーワードに、母・はつ、寺山にとっての「同志」だったという元妻の九條今日子ら、寺山と伴走した女性たちにもスポットを当てた。
併せて、昨年11月に亡くなった詩人の谷川俊太郎さんについても触れた。谷川さんはいち早く寺山の才能を見いだし、寺山が亡くなるまで深い交流のあった人物として知られ、同館は2人の往復書簡やビデオレターなどの資料も展示しているという。
会場に詰めかけた市民は広瀬さんの解説に深く聞き入り、イベント終了後も話し込む人の姿があった。
広瀬さんは「寺山修司が50年前に刊行した『青女論』を底本に、企画・展示した。この本には、デビッド・ボウイなどの撮影で知られる鋤田正義さんの写真が掲載されており、写真集としてもエッセー集としても楽しめる。現在、『青女論』は文庫では入手できるが、写真がほとんど掲載されていない。1974年版は古書でも入手が困難なので、ぜひ企画展会場に足を運んでほしい」と話す。
寺山修司記念館の開館時間は9時~17時。同企画展会期中の入館料は、一般=550円、高校生・大学生=110円、小中学生=60円(土曜は中学生以下無料)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。企画展は5月25日まで。