![高橋洋子さんと昂志さん](https://images.keizai.biz/hachinohe_keizai/headline/1739165866_photo.jpg)
美容室「Re.place(ラプラス)」がのだビル(八戸市番町)1階にオープンし、2月10日で半年がたった。
店先に設置した看板は今後、クラウドファンディングで資金を募って作り変える予定
八戸出身の昂志(こうし)さんが店主を務める同店。昨年6月まで営業していた美容室「サロン・クールール」の店舗スペースや機材を引き継いで運営している。
現在22歳の昂志さんは高校卒業後、関東地方の美容系専門学校に通う傍ら、千葉県内の美容室で働いていた。昨年八戸に戻り、これからの人生について考えていたところ、クールールが後継者や機材の引き取り手を募る張り紙を出していることを知人経由で知った。「店の機材を無料でもらえるというので、詐欺かと思った」と昂志さん。半信半疑で電話をかけると「元気なおばあちゃんが出た」という。
クールールを切り盛りした高橋洋子さんは、約50年美容師として生計を立ててきた。1991(平成3)年に開店した同店は約33年にわたって常連客に親しまれたが、昨年1月下旬、多発性骨髄腫が見つかり入院。歩くこともままならなくなり、休業に追い込まれた。家族の勧めもあり、同店は6月末で閉店。7月末をもって同ビルから退去することを決めていた。高橋さんは「1カ月も入院したら治って、また復帰できると思っていた。どうしても閉店する決心が付かなかった。引き継いでくれる人が見つかればと思い張り紙をしたら、昂志さんから電話が来た」と振り返る。
昂志さんは高橋さんから店舗スペースや機材を引き取ることを決め、自身の誕生日の8月10日、始めの連絡から半月足らずでオープンにこぎ着けた。店名の「ラプラス」は子どもの頃から好きだというゲームソフト「ポケットモンスター」のキャラクター名から取り、英語表記の「Laplace」の「La」を「Re」に置き換えた。「一度終わったことを再起させていく」との思いを込めたという。
高橋さんの体調はその後回復を見せ、現在は従業員として昂志さんをサポートしながら、得意とする着付けや頭皮洗浄に取り組む。クールール時代の常連客の客足も戻り「『今の方が元気だね』とお客さんに言われることも多い」(高橋さん)という。
「『サロン』は『集う』、『クールール』は『カラー』という意味。たくさんの人が集うようにと思い名付け、本当にいろんな人が集まってきた。今は昂志さんの友達が来ることが楽しみ」と高橋さん。昂志さんは「ゼロからのスタート。高橋さんと一緒に成長していきたい。ヘアアップや着付けなどで、八戸の祭りにも関わって行きたい。友達の家に遊びに行くように来てもらえれば」と話す。
営業時間は10時~18時。予約があれば営業時間外も対応する。