
ジャズピアニストのデビッド・マシューズさんと世界的歌手・ジェームス・ブラウンさんとの出会いのエピソードが7月3日・6日、マシューズさんのラジオ番組「David Matthews Presents ON AIR GIG(オン・エアー・ギグ)」で紹介される。
八戸在住で現在83歳のマシューズさん。1970年代にブラウンさんのツアーバンドのアレンジャーとしてプロデビューした。これまでに3回、グラミー賞を受賞した経験を持つほか、ジャズグループ「マンハッタン・ジャズ・クインテット」のリーダーとしても知られる。
マシューズさんは6月、大学時代を過ごした米オハイオ州シンシナティ市の団体「シンシナティ・ジャズ・ホール・オブ・フェイム」からジャズを通じて同市の文化振興に貢献した人物として「殿堂入り」メンバーに選ばれ、同市で行われた表彰式に出席した。6月20日には日本へ帰国後初の同番組の収録で同市の思い出を振り返り、ブラウンさんと出会ったときのエピソードに触れた。デビュー前のマシューズさんは、シンシナティ市内の大学でクラシック音楽を学ぶ一方、夜はライブハウスでジャズ演奏に励んでいた。ブラウンさんとの出会いは偶然の連続だったという。
当時活動していたジャズグループのレコーディングのために市内のスタジオに行ったが、すでに利用者がいたためレコーディングができなかった。スタジオのロビーで休憩していたところ居合わせたのが、ブラウンさんのマネジャーだった。そこに偶然、ブラウンさんからマネジャーに早急にアレンジャーを探すよう連絡が入ったという。マシューズさんのバンドメンバーはマネジャーにマシューズさんの作編曲の才能を紹介。マシューズさんは試験的に6曲をアレンジするよう指示を受けた。
数週間後、同市を訪れたブラウンさんが見守る中で音源を披露したが、ブラウンさんの表情は次第に曇り「That's not hip.(これはかっこよくない)」と言われたという。同席した人が3曲目の間奏をもう一度聞くよう勧めたところ、ブラウンさんの表情が明るくなり、マシューズさんをツアーバンドのアレンジャーとして迎えた。
マシューズさんは「『曲の中盤は誰も聞かない。最も面白い部分を曲の初めに持ってくることが大切』とアドバイスを受けた。この言葉は、私の長いキャリアの中で一度も忘れたことがない」と話す。
番組はコミュニティー放送局「BeFM」(番町)で放送する。放送時間は、7月3日=21時~21時30分、6日=22時~22時30分。どちらも同じ内容を放送する。ラジオ放送配信サービス「リスラジ」でも同時配信するほか、同番組のユーチューブチャンネルでアーカイブ配信も行う。