八戸のポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)で9月3日、ビジネス書作家・美崎栄一郎さんによる講演会「アイデアは才能では生まれない」が開催された。主催は書店「金入聖幸堂」(番町)。
美崎さんは、ビジネス書を中心に17冊の著書を持ち、地方での講演活動も精力的に行っている。
昨年3月、美崎さんが東北地区でセミナーを行った1週間後に東日本大震災が起こった。「一歩間違えば自分も直接被害を受けたかもしれない。人ごとではない」との思いから、震災後は東北地区でチャリティーセミナーも積極的に開いている。八戸では4回目の講演で、同市にふるさと納税をするなど、ゆかりも深い。
今回は7月に発売された新刊「アイデアは才能では生まれない」(日本経済新聞出版社、1,575円)の発売を記念して開いた。
講演では、美崎さん自身がサラリーマン時代にかかわったプロジェクトや、カルビーやサントリー、クリナップなどのプロジェクトリーダーの事例をもとにビジネス現場からのアイデアの発想法を紹介。「制約を一歩超えて考えること」「逆転の発想」などの重要性を説いた。
参加者約30人は、美崎さんのユーモアあふれるおだやかな語り口に熱心にうなずきながらメモを取っていた。講演会終了後に行われたサイン会では行列ができ、記念写真を撮る姿も見られた。
岩手県葛巻町から参加した黍原(きびはら)さんは「企画の仕事に携わっているので、とても参考になった。今後の仕事に生かしていきたい」と話し、「普段は山奥で、自給自足で生活しているので、こういう会に参加すること自体も刺激にもなる」とも。
金入聖幸堂を経営する金入の金入健雄副社長は「実践的なアイデア発想法を学ぶ貴重な機会となった。参加者それぞれの仕事に役立ててほしい。これからもビジネスパーソンの役に立つセミナーを企画していきたい」と意欲を見せる。