三戸郡南部町の南部町商工会で11月5日、八戸せんべい汁研究所(八戸市北白山台)事務局長の木村聡(さとし)さんが「地元食文化を生かして地域を売り込む 特産品づくり・情報発信によるブランド化のコツ」と題して講演を行った。
同町は八戸市に隣接し、南部せんべいも、それを用いるせんべい汁ともゆかりが深い地域。
講演の前段で木村さんから、同研究所が10月に北九州市で行われた「第7回B-1グランプリ」でゴールドグランプリに輝いたことや、その後の取材状況、土産品のせんべい汁などの売り上げの変化などを報告。ゴールドグランプリ獲得後は注文が50倍~100倍も殺到している土産店や工場もあるという。
講演では、まちづくり・まちおこしを目的として同研究所やB-1グランプリを始めた経緯や、報道からは知ることができない緻密なマスコミ戦略などが語られ、「どの街にも、地元の人が気付いていない宝が必ず埋まっている。それを見つけ楽しくやり続けることが重要」と講演を締めくくった。
講演後、参加者からの「優勝したことで一区切りという気持ちがあるのでは。今後はどうするのか」との質問に木村さんは「優勝することを目的としてやってきたわけではない。八戸せんべい汁研究所の活動を通じて八戸地域をPRすることが目的。まちづくりに終わりはありません」と答えた。
ゴールドグランプリ獲得後多忙な日々を過ごしている木村さんだが、今回の講演会は1カ月半ほど前から企画されていたもの。講演会の事務局を担当した同商工会の水梨実さんは「思わず『時の人』となった木村さんに講演会をお願いしておいて良かった。今から頼もうと思っても無理でしょうから。ナイスタイミングでした」とホッとした表情を見せた。
講演会に参加した同町内の燃料店に勤務する長谷川和子さんは「ボランティアで10年以上も活動を続けるのはすごいと思った。今日は木村さんからエネルギーやパッションを頂いた感じ。今日聞いたことを仕事に、まちづくりに生かしていきたい」と興奮気味に話していた。