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八戸で高齢ドライバーの交通安全教室 老人クラブメンバー30人参加

交通安全教室の様子

交通安全教室の様子

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 高齢者の交通安全意識向上を目指す「高齢ドライバーの交通安全教室」が6月12日、八戸モータースクール(八戸市石堂4)で開かれた。主催は八戸市。

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 八戸警察署によると、青森県内の交通事故死者数は同日現在で17人。うち高齢者は11人で、シートベルトを着用していなかった人は7人にも上っている。青森県警は6月をシートベルトとチャイルドシート着用強化月間とし、着用義務の周知徹底を図っている。5月11日現在、全国で発生している交通事故は一日平均18件にも上り、より一層の交通安全意識の向上が求められる状況にある。

 八戸市では、高齢者の意識向上を目的とし、毎年5月と6月に交通安全教室を実施している。6月12日に八戸モータースクールで開催した教室には大館老人クラブのメンバー約30人が参加。同スクールの講師や、自動車販売店のスタッフらが日頃の生活で気を付けるべき交通安全の要点を伝えた。

 安全教室では交通事故の発生は昼の方が多いが、死亡事故自体は夜の方が多いという。夜間はドライバーから歩行者が見えないことが多く、歩行者の服装の色によっても見え方に違いがあるほか、夜間は赤・青・黒などの濃い色がドライバーから見えづらく、黄色や白は比較的見やすいことなどを、実践しながら説明。特に反射材を着用することで、さらに見えやすくなる。ただし、明るい色の服装や反射材を着用していても、車のライトが前後両方から当たっている場合は歩行者が全く見えなくなる蒸発現象が起こる事もあるため、十分な注意が必要だ。

 教習道路では、教習用車両を使用して道路横断時の注意点を説明。普通車と中型車では、同じ速度であっても歩行者の目の前を通過するまでの体感速度に誤差があるため、道路横断時は余裕を持って横断することが必要。特に、斜め横断、駐車している車の脇を通っての横断などは危険で、横断歩道であってもドライバーが歩行者を見落としている場合もある。

 安全性能を備えた車の説明では、青森トヨペットのスタッフが低速走行時の被害軽減ブレーキを搭載した車「サポートカー」を紹介。アクセルとブレーキを間違えて踏んだ場合を想定し、車に搭載したセンサーが目の前の壁を察知して被害軽減ブレーキが作動する様子を実際の車両を使い説明した。被害軽減ブレーキを搭載した車でも、目の前の対象物によっては作動しない場合や、人物など動くものには対応していないことも合わせて説明。車の機能を過信せず、事故の全責任は運転者にあるという意識が大切であると付け加えた。

 八戸市市民防災部くらし交通安全課副参事の川嶋友明さんは「高齢者の交通事故防止を推進するために毎年この時期に開催している。高齢になってくると身体機能の低下が避けられない。自身の体力などを把握したうえで、日頃から安全確認などをするなどして事故の無いように過ごしてほしい」と話す。

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