八戸市の「風張1遺跡」(八戸市是川)から出土した「合掌土偶」が国宝指定から10年となり7月15日、是川縄文館(同)で記念講演会が開かれた。
合掌土偶は1989(平成元)年に八戸市内の風張1遺跡での発掘調査で、竪穴建物跡から発見。土偶は手のひらを合わせた姿から「合掌土偶」と名付けられた。2009(平成21)年7月10日付で、縄文土偶としては3例目の国宝に指定。この合掌土偶は、合掌形として唯一の完成品であり、発掘調査で発見されたという学術的な情報があり、極めて高い価値を有する。
合掌土偶は八戸市の是川縄文館に展示されているほか、国内での展示のみならず、米国の美術館、フランスの日本文化会館、英国の大英博物館でも展示され、海外からも高い評価を得ている。
是川縄文館では、合掌土偶国宝指定10周年を記念して、15日に館内を無料開放。文化庁文化財第一課主任文化財調査官の原田昌幸さんを招いて記念講演「縄文土偶の魅力」を開催した。
講演会に参加した70代の男性は「是川縄文館には月に2~3回は来ている。今日の講演会も勉強のつもりで申し込んだ。この年でも、新しいことを知るのは楽しい」と話す。
是川縄文館では7月20日~9月8日に特別展「北の縄文世界 北海道・北東北の縄文遺跡群」を開催。同館学芸員の佐藤ちひろさんは「函館市の国宝土偶『茅空(カックウ)』のレプリカの展示も含め、北の縄文遺跡で発掘されたものを展示するので、ぜひ、ご来館いただきたい」と話す。
開館時間は9時~17時。特別展期間中の休館は8月19日。観覧料は、一般=300円、高校生・大学生=150円、小中学生=50円。